第97回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

医療機器管理

医療機器管理1

Sat. Jun 4, 2022 2:00 PM - 3:00 PM 第2会場 (アネックスホール F203)

座長:山浦 健(九州大学)

2:00 PM - 2:10 PM

[39] 小児用回路変更後に重要性の高い気泡クランプ開閉動作不良警報が発生した症例

加藤 孝昭, 余語 南海, 藤井 雄介, 相木 一輝, 一柳 宏, 小山 富生 (名古屋大学医学部附属病院 臨床工学技術部)

【背景】
当院では小児の腎代替療法(CRRT)では,
血液浄化装置にTR-55X2®を使用している.今
回,COVID-19流行に伴い小児用回路製造困難
となり,JLL製からJMS製へ変更した.変更後,
回路不具合により気泡クランプ開閉動作不良警
報が発生し,緊急で装置交換をする事例を経験
し,原因の究明をおこなった.
【事例】
4歳,12kgの小児,薬剤性の急性腎障害に
よりCRRT導入.脱血不良アラームを機に,今
まで経験したことのない重要性が高い気泡クラ
ンプ開閉動作不良警報が鳴ったため,緊急で装
置交換をおこなった.開閉動作不良の原因が装
置なのか回路なのか判断が不明であったため,
これを機に全7台の開閉動作確認をおこなった
ところ,他にも2台の動作不良を確認したため
メーカに原因調査依頼した.
【対策と結果】
まず装置確認のため,クランプの分解洗浄を
おこなったが開閉動作不良は変わらなかった.
次に回路確認のため,回路未装着:1,成人用
JMS製回路:2,小児用JLL製回路:3,小児
用JMS製回路:4のパターンで開閉動作確認を
おこなった.結果として変更後の4のみ動作不
良が確認でき,1,2,3は確認されなかった.
追加点検として,4に圧漏れテストをおこなっ
たが,動作不良は確認されなかった.以上によ
り,クランプ自体の開閉動作は異常なしと判断
し,原因は4の回路時にクランプセンサが閉じ
ている状態を検出できないと考えられた.4は
チューブが肉厚で硬く,変更前の3と比較して
センサ位置のズレが生じたことと回路径が少し
大きくなったことで,クランプトルクが最大に
なる前に回路に当たり,クランプが閉まりきら
ず動作不良が発生したと考えられた.対策とし
てセンサ位置およびクランプの隙間調整をおこ
なったことで改善した.
【おわりに】
使用前ごとに動作点検を推奨されているが
実施していなかった.今回は交換した装置も偶
然警報が発生することなく使用できたが,回路
変更がある場合は,装置個体差もあるため全台
動作確認をする必要があると考える.