第97回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

医療機器管理

医療機器管理1

Sat. Jun 4, 2022 2:00 PM - 3:00 PM 第2会場 (アネックスホール F203)

座長:山浦 健(九州大学)

2:20 PM - 2:30 PM

[41] 敗血症におけるメロペネムを使用した腎代替療法データベースの研究

森 信洋, 関根 広介, 高倉 照彦 (亀田総合病院ME 室)

【目的】
本研究の目的は集中治療室における腎代替
療法(RRT)データベースの開発をおこな
い,メロペネムを投与された敗血症に着目し,
RRTの有無における患者実態を明らかにする.
【方法】
本研究は2018年4月1日から2021年3月31
日の3年間を調査期間とした.デザインは単施
設後方視記述研究を設定した.群間において暴
露群はRRTを施行しない患者と対象群はRRT
を施行した患者を比較した.p値<0.05は統計
的に有意であると考えられた.すべての統計解
析はRバージョン3.4.1を用いた.
【結果】
研究期間中の集中治療室に入室患者は2,864
人を示し,そのうちメロペネムを投与された
敗血症に着目した結果,RRTなし群は11人を
示し,RRT群は8人を同定した.RRT群の年
齢は71[67 – 78]歳で75%が男性を示した.主
要評価項目である28日死亡率において有意な
差は示さなかったものの,RRT群はRRTなし
群と比較して約2倍の高値を示した(50% vs.
27%, P=0.59).これは副次的評価項目の90日死
亡率と集中治療室死亡率においてもRRT群は
RRTなし群と比較して高値を示した(63% vs.
36%, P=0.51; 38% vs. 9.1%, P=0.35).また,集
中治療室の在日数において,RRT群はRRTな
しと比較して4倍も延長していることを示した
(28日 vs. 7.0日,P=0.07).
【結語】
本研究はRRTデータベースを集中治療室に
実装し,敗血症におけるメロペネムの患者転帰
の実態を分析した.メロペネムを投与された敗
血症において,RRTを施行した重症患者では
RRTを施行しない患者と比較して約2倍の死
亡率を示した.また,集中治療室の在日数にお
いては4倍の延長を示した.