第97回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

材料部管理

材料部管理

Sat. Jun 4, 2022 11:20 AM - 12:00 PM 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:齋藤 篤(大阪大学)

11:30 AM - 11:40 AM

[46] 滅菌供給業務従事者を対象にした医療安全研修の取り組み

足立 沢実1, 橋本 素乃1, 津嘉山 身衣子1, 久保田 英雄1, 久保木 修2 (1.東京医科歯科大学病院 材料部, 2.京滋滅菌業務研究会)

【はじめに】
滅菌供給部門( 以下central sterile supply
department: CSSD)は,病院施設において医
療安全や感染管理にかかわる重要な役割を担っ
ている.CSSDの従事者は,洗浄・消毒・滅菌
に関連する知識や技能は実務を通して習得する
ことが可能であるが,医療安全に関しては学習
する機会が十分でないと考えられる.当院材料
部は昨年10月の医学部附属病院と歯学部附属
病院の病院一体化に伴い統合されたが,滅菌業
務委託会社は医科と歯科で異なっている.昨
年,医科のCSSDにおいて医療安全研修を実施
し知識の向上につながった結果を踏まえ,歯科
のCSSD従事者を対象に医療安全に関する研修
を実施したので報告する.
【方法】
研修は対面による集合研修または動画によ
る個人研修とした.内容は用語の解説,事故が
発生するメカニズム,再発防止対策の評価方法
等とした.研修毎にミニテストをおこなうとと
もに,研修受講終了後,研修会とその内容に関
する意識調査をおこなった.ミニテストは医療
安全用語の理解度を問う物で,回答方法は選択
式とした.意識調査は研修の必要性や現場で実
践したいと思った医療安全対策を問う物で,ア
ンケート形式で実施した.
【結果】
動画は何度でも視聴可能であったが,動画受
講した人は全員1回しか視聴していなかった.
21名のアンケート結果によると,研修内容につ
いて,有意義14名,概ね有意義7名,であった.
研修の難易度について,適当13名,概ね適当8
名であった.医療安全研修の必要性を確認した
ところ,全員必要と回答していた.ミニテスト
は70点満点で10点から70点とばらつきがあっ
た.医科で実施した対面による集合研修のミニ
テストは20名全員が全問正解であったことよ
り,研修の受講方法で知識の獲得に差があると
考える.動画による研修の効果を高めるために
は,理解できるまで何度も視聴してもらうなど
の工夫が必要であることが示唆された.