第97回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

材料部管理

材料部管理

Sat. Jun 4, 2022 11:20 AM - 12:00 PM 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:齋藤 篤(大阪大学)

11:40 AM - 11:50 AM

[47] インシデントレポートの再構築

橋本 素乃1, 津嘉山 身衣子1, 足立 沢実1, 久保田 英雄1, 久保木 修2 (1.東京医科歯科大学病院 材料部, 2.京滋滅菌業務研究会)

【はじめに】
当院材料部ではインシデント発生時,患者
に関わる事象は院内のシステムへ入力し,他は
委託業者が指定した報告書にて報告を受けてい
た.しかし,発生した事象のレベル分類や,原
因・背後要因が不明確であり分析が困難なこと
が課題として挙げられた.また,院内の患者影
響度に応じたレベル分類は滅菌供給業務におけ
るインシデントに必ずしも合致していないと思
われた.そこで,滅菌供給業務に合わせたイン
シデントレベルの設定と,WEBフォームを用
いたインシデントレポートの作成をおこなうこ
とで入力を速やかにし,集計や分析がスムーズ
におこなえるよう,インシデントレポートの再
構築をおこなったので報告する.
【方法】
WEBフォーム化にあたって多くの項目を選
択式とした.入力項目は,インシデントレベル,
発生した出来事,原因,背後要因,従事者の経
験年数などである.インシデントレベルはレベ
ル0からレベル4の5つに分類し0:部署内で
発見対処できたケース,1:医療現場から指摘
を受けたケース,2:器材使用者に影響を与え
たケース,3:手術遅延や中止が生じたケース,
4:患者に健康被害が出たケースとした.
【結果】
入力項目の多くを選択式にしたことによ
り,インシデントの集計が容易になった.また
WEBフォームで入力した情報は,データ化さ
れるとともに分析も容易になった.複数箇所か
ら同じデータにアクセス可能なため,データの
共有も容易になった.新たなインシデントレベ
ルに沿って入力することにより,病院職員と委
託職員間でレベル分類に対する認識のずれが減
るとともに重要度を共有することができるよう
になった.課題として,WEBフォームに入力
するための端末数に限りがあるため,タブレッ
ト端末などの導入も検討し手軽に入力できる環
境を整える.さらに,収集したデータから分析
をおこない,重大インシデントを未然に防ぐ仕
組みの構築を検討したいと考える.