第97回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

滅菌

滅菌2

Sat. Jun 4, 2022 2:50 PM - 3:40 PM 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:村越 智(東京大学)

2:50 PM - 3:00 PM

[53] 日常的に使用する出荷判定用PCD の簡易的な選択方法の開発

佐藤 秀樹, 江澤 一正, 安藤 淳一, 土佐岡 瞳, 野口 葉月 (㈱名優)

【背景】
昨年改訂された「医療現場における滅菌保
証のガイドライン2021」(以下ガイドライン)
によると,日常の出荷判定に市販のPCDを使
用する場合は,被滅菌物の中で最も滅菌抵抗性
の高いマスター製品よりも,滅菌抵抗性の高い
PCDを使用することが推奨されている(P18).
マスター製品よりも滅菌抵抗性の高いPCDを
日常的に使用することで,より安全な出荷判定
を実現する.
しかし,ガイドラインに記載されているマス
ター製品とPCDとの滅菌抵抗性の比較方法で
は,部分致死サイクルを使用することや,BI
の生存率を比較することが求められるため,す
ぐに検証を実施できない施設は少なくない.そ
こで,そのような施設においても滅菌抵抗性の
比較が簡易的に実施できる方法を開発すること
とした.
【目的】
ガイドラインに記載されている,マスター製
品とPCDとの滅菌抵抗性の比較検証が実施で
きない施設において,施設内にあるものだけで
簡易的に滅菌抵抗性を比較する方法を開発する.
【方法】
1. マスター製品と市販のPCDの内側に,
同一のBIまたはCIをそれぞれ設置する.
2. 複数枚の滅菌バッグを重ねて「1.」を
包装する.
3. 日常的に使用しているプログラムで滅菌
する.
4.インジケータの判定結果を確認する.
マスター製品の内側に設置したインジケー
タが合格判定を示し,市販のPCD内に設置し
たインジケータが不合格判定を示した場合,滅
菌抵抗性はマスター製品よりも市販のPCDの
ほうが高いと判定する.
【結語】
本手法により,どの施設においてもマスター
製品と市販のPCDとの滅菌抵抗性の比較を実
施できるようになるため,日常の出荷判定を
より安心できるものに近づけることができると
考える.無論,PQをおこなったうえで適切な
PCDを選択するべきではあるが,ガイドライ
ンに記載されている検証方法をすぐに実施でき
ない施設においては,本手法が日常の出荷判定
用PCDの選択に寄与すると考えられる.