第97回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

滅菌

滅菌2

Sat. Jun 4, 2022 2:50 PM - 3:40 PM 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:村越 智(東京大学)

3:00 PM - 3:10 PM

[54] 化学的インジケータプリント滅菌バック試用による移行への検討

三浦 順子, 金澤 悦子, 大野 理恵, 瀬戸 初江, 櫻田 享 (東北医科薬科大学病院)

【はじめに】
器材の滅菌には器材の大きさや形状等に合
わせた滅菌バックを使用し,内部には包装内部
用化学的インジケータカード(以下CIカード)
を入れる.しかし,このCIカードが患者の口
腔内への遺残のインシデントが発生した.そこ
で,インシデント防止のため化学的インジケー
タプリントの滅菌バック(以下CI滅菌バック)
を試用し,移行への検討をおこなった.
【 現状のCIカードを入れた滅菌バックと試用し
たCI滅菌バックとの比較】
現状のCIカードは長方形タイプを1/3に
カットした形状で,滅菌バックに入れていたが,
入れる手間や器材の大きさによってはCIカー
ドが見えにくく滅菌後の変色確認が難しかっ
た.試用したCI滅菌バックはCIカードを入れ
る手間や時間,変色確認やCIカードの落下が
ない等の利点がある.
【CI滅菌バック試用によるコスト面での試算】
現状の滅菌バックの使用枚数は1週間で933
枚,1枚6円のCIカード5,598円,滅菌バック
のコストは12,856円,滅菌バックとCIカード合
計では18,454円となる.試用するCI滅菌バッ
クは1週間で36,067円,約2倍のコスト増とな
る.一方,現状の滅菌バックはロールタイプの
ためカットしカット部分のシーラー作業が発生
する.その作業時間が1枚で42秒,1週間の作
業時間で653.1分要した.作業費用は人件費1
分あたり35円,1週間で22,859円となる.CI滅
菌バックでは滅菌バックのカットとシーラー作
業が発生しないため,作業時間と人件費は0で
ある.両者を比較すると現状の方は1週間で合
計41,313円,試用のほうは36,067円でマイナス
5,246円,1年間で273,312円のコスト削減(13%)
が可能となる.
【CI滅菌バック試用による期待される効果】
口腔内へのCIカード遺残防止に試用したCI
滅菌バックは,コスト面での経費削減につなが
ることがわかった.また,CIカードを入れる
手間がないため作業の省力化が図られることか
ら,より安全で安心な器材の提供が期待される.
化学的インジケータプリント滅菌バック試用による移行への検討
三浦順子,金澤悦子,大野理恵,瀬戸初江,櫻田 享(東北医科薬科大学病院)
54
( 14 4 ) 医機学 Vol.92,No.2(2022)