4:30 PM - 4:40 PM
[62] 機械洗浄ができないRMD のすすぎ性確認方法の検討
【背景】
我々は,先行研究でウォッシャーディスイン
フェクター(以下WD)のすすぎ性に影響する
因子について明らかにした1).しかし,臨床現
場では,WD洗浄が適用できない再使用可能医
療機器(以下RMD)があり,洗浄後のすすぎ
は人の手によっておこなわれている.そのすす
ぎ性に影響する因子をはじめ,現場でおこなう
すすぎ性評価方法や基準については,まだ明ら
かにされていないのが現状である.
【目的】
医療現場には,洗剤成分を定量する装置が備
わっておらず,実施できる試験方法は限られて
いる.よって,現場で実施可能なすすぎ性評価
方法について調査することを目的とする.
【方法】
WD洗浄不可のRMDの代わりに多孔質です
すぎにくいとされているシリコンマットを対象
とした.シリコンマットを酵素配合中性酵素洗
浄剤1 v%希釈液に15分浸漬し,その後流水時
間15秒と30秒,そしてWDですすぎをおこない,
PP製袋にすすぎ後のシリコンマットとROを入
れ,RO水で洗剤成分を抽出し,そのRO水の導
電率測定と泡立ちを調べた.
【結果】
抽出で得たサンプルの導電率測定結果は,流
水すすぎ15秒は12μS/cm,30秒は14μS/cm,
WDすすぎ後は12μS/cmであり,抽出に使用
したRO水の導電率10μS/cmと近似した値で
あった.一方抽出で得たサンプルの泡立ち試験
結果は,流水すすぎ30秒の泡立ちが最も多く,
WDすすぎ後の泡立ちが最も少なかった.以上
の結果から,抽出サンプルの泡立ち試験は,導
電率測定よりもすすぎ方法による差が顕著にみ
られ,現場で簡易にすすぎ性評価を実施するこ
とが可能な方法であることが示唆された.
1) 三軒隼人,藤田敏,川田原瑠勇, 原田陽滋,
竹川公,臼井健二,ウォッシャーディスイ
ンフェクターのすすぎ排水中に含まれる洗
浄剤残留量の測定によるすすぎ性能評価.
医療機器学,2021 ; Vol.91, No.4 : p.315-322.
我々は,先行研究でウォッシャーディスイン
フェクター(以下WD)のすすぎ性に影響する
因子について明らかにした1).しかし,臨床現
場では,WD洗浄が適用できない再使用可能医
療機器(以下RMD)があり,洗浄後のすすぎ
は人の手によっておこなわれている.そのすす
ぎ性に影響する因子をはじめ,現場でおこなう
すすぎ性評価方法や基準については,まだ明ら
かにされていないのが現状である.
【目的】
医療現場には,洗剤成分を定量する装置が備
わっておらず,実施できる試験方法は限られて
いる.よって,現場で実施可能なすすぎ性評価
方法について調査することを目的とする.
【方法】
WD洗浄不可のRMDの代わりに多孔質です
すぎにくいとされているシリコンマットを対象
とした.シリコンマットを酵素配合中性酵素洗
浄剤1 v%希釈液に15分浸漬し,その後流水時
間15秒と30秒,そしてWDですすぎをおこない,
PP製袋にすすぎ後のシリコンマットとROを入
れ,RO水で洗剤成分を抽出し,そのRO水の導
電率測定と泡立ちを調べた.
【結果】
抽出で得たサンプルの導電率測定結果は,流
水すすぎ15秒は12μS/cm,30秒は14μS/cm,
WDすすぎ後は12μS/cmであり,抽出に使用
したRO水の導電率10μS/cmと近似した値で
あった.一方抽出で得たサンプルの泡立ち試験
結果は,流水すすぎ30秒の泡立ちが最も多く,
WDすすぎ後の泡立ちが最も少なかった.以上
の結果から,抽出サンプルの泡立ち試験は,導
電率測定よりもすすぎ方法による差が顕著にみ
られ,現場で簡易にすすぎ性評価を実施するこ
とが可能な方法であることが示唆された.
1) 三軒隼人,藤田敏,川田原瑠勇, 原田陽滋,
竹川公,臼井健二,ウォッシャーディスイ
ンフェクターのすすぎ排水中に含まれる洗
浄剤残留量の測定によるすすぎ性能評価.
医療機器学,2021 ; Vol.91, No.4 : p.315-322.