第97回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

医療機器管理

医療機器管理2

2022年6月4日(土) 09:00 〜 10:10 第4会場 (アネックスホール F204)

座長:野川 悟史(昭和大学藤が丘病院)

09:20 〜 09:30

[65] 医療機器管理のリアルを話せる場づくり

-医療機器管理の井戸端会議を継続して-

大石 杏衣 (Kiwi)

【課題】
適切な医療機器管理(以下機器管理)は医療
法で定められており,医療機器安全管理責任者
の設置が義務づけられている.しかし,機器管
理の方法は指針等があるものの,実務に落とし
込む際に多くの疑問や問題,課題,限界を生じ
る場面が多々ある.さらに,業務する環境の違
いからか深く議論する機会が少ない.今回,医
療機器管理の井戸端会議というコミュニティー
をオンラインで定期的に開催し,フリートーク
形式で意見交換ができる場を作ったので報告す
る.
【方法】
2021年4月より月一回の開催で毎回違う
テーマを設けた.テーマに沿った話題提供の後,
それらを基にディスカッションを展開した.参
加者は機器管理に興味がある医療従事者であれ
ば誰でも無料で参加できる.
【結果】
参加者はクリニックから大病院まで,経験年
数等も異なる方が集まり,のべ178名参加した.
臨床工学技士(以下CE)が大半を占めるが,
医師や看護師,事務等の参加もあった.事後ア
ンケートでは90%以上が「また参加したい」そ
の他は「テーマにより参加したい」という回答
だった.詳細は当日発表とする.
【結論】
病院や事務,看護部等に理解と協力を得る難
しさや,定量的に機器管理を評価する難しさが
浮き彫りになった.臨床業務との兼ね合いに課
題を抱えるCEも多かった.リピーターも多く,
気軽なディスカッションの場を新鮮に感じる参
加者も多かった.
【考察】
機器管理は病院の規模や体制,臨床工学技士
の人数,機器の台数等により大きく異なる.正
解がなく,それぞれの病院で試行錯誤している
中で,他病院とフラットな関係で情報交換する
ことで,課題解決のヒントや新たな課題も浮き
彫りになった.医療機器の適切な使用と運用は
医療安全や病院経営の要になる.医療機器を取
り巻くマネジメントスキルがこれからのCEに
求められると実感した.今後も他職種も巻き込
みながら,医療機器管理の井戸端会議を継続し
ていきたい.