09:20 〜 09:30
[9] 歯科用器材の超音波洗浄における積載量の問題点
【背景】
歯科臨床での超音波洗浄の対象物は,歯牙切
削用バー類等から抜歯鉗子等の大きさがあり,
溝やくぼみに付着した血液・唾液・組織片等を
確実に分解・除去しなければならない.しかし
通常は1施設1台の超音波洗浄器で対応するた
め,過積載が懸念される.そこで6施設におい
て積載量を3段階に変化させ洗浄効果を検証し
た.
【方法】
トマトジュースと卵白を混合し, キッ
コーマンバイオケミファ社製ルミテスター
およびルシパックA3Surfaceを使用して
AMP(Adenosine monophosphate)・ADP
(Adenosine diphosphate)・ATP(Adenosine
triphosphate)を測定して500,000RLU(Relative
Light Unit)前後になるように水で希釈した混
合液を,ヒューフレディ社製アドソンピンセッ
ト(以下AP)および歯肉ばさみ(以下GS)各
5本に100μL塗布し室温で半日自然乾燥させ
た.積載量についてはAPおよびGS各5本をA
群,これにAP 2本・ヒューフレディ社製へガー
ル持針器・マチュー持針器・メスホルダー・剥
離子格2本を加えたB群,B群にさらにへガー
ルおよびマチュー持針器・剥離子を各3本追加
したC群に対し,蛋白質分解酵素入り中性洗剤
モリタ製ウルトラクレンザイムを指定濃度に希
釈・調製して,ビィソニックス社製EXV-N3(3
施設)・カボデンタルシステムズ社製Q140Ag・
ジーシー社製ハイパワーソニックHS-I・共和
医理科社製KS-140Nの超音波洗浄器を用いて
15分間稼働させ洗浄後A3を測定した.
【結果】
6施設における洗浄後データの中央値は,A
群のAPが77でGSが69,B群のAPが75でGSが
50,C群のAPが76でGSが72であり,3群とも
に200以上を示すものもあった.
【考察】
3群間に大きな差は認められなかった.これ
はBおよびC群の内容量が超音波洗浄器の性能
に対して許容範囲であったことおよび洗剤使用
の効果と考える.
【結語】
3群とも先端部がギザ状のAPのほうが,表
面がスムースなGSよりも残留が多くみられた
ことから,器材の性状に合わせた積載量を把握
して使用することが重要である.
歯科臨床での超音波洗浄の対象物は,歯牙切
削用バー類等から抜歯鉗子等の大きさがあり,
溝やくぼみに付着した血液・唾液・組織片等を
確実に分解・除去しなければならない.しかし
通常は1施設1台の超音波洗浄器で対応するた
め,過積載が懸念される.そこで6施設におい
て積載量を3段階に変化させ洗浄効果を検証し
た.
【方法】
トマトジュースと卵白を混合し, キッ
コーマンバイオケミファ社製ルミテスター
およびルシパックA3Surfaceを使用して
AMP(Adenosine monophosphate)・ADP
(Adenosine diphosphate)・ATP(Adenosine
triphosphate)を測定して500,000RLU(Relative
Light Unit)前後になるように水で希釈した混
合液を,ヒューフレディ社製アドソンピンセッ
ト(以下AP)および歯肉ばさみ(以下GS)各
5本に100μL塗布し室温で半日自然乾燥させ
た.積載量についてはAPおよびGS各5本をA
群,これにAP 2本・ヒューフレディ社製へガー
ル持針器・マチュー持針器・メスホルダー・剥
離子格2本を加えたB群,B群にさらにへガー
ルおよびマチュー持針器・剥離子を各3本追加
したC群に対し,蛋白質分解酵素入り中性洗剤
モリタ製ウルトラクレンザイムを指定濃度に希
釈・調製して,ビィソニックス社製EXV-N3(3
施設)・カボデンタルシステムズ社製Q140Ag・
ジーシー社製ハイパワーソニックHS-I・共和
医理科社製KS-140Nの超音波洗浄器を用いて
15分間稼働させ洗浄後A3を測定した.
【結果】
6施設における洗浄後データの中央値は,A
群のAPが77でGSが69,B群のAPが75でGSが
50,C群のAPが76でGSが72であり,3群とも
に200以上を示すものもあった.
【考察】
3群間に大きな差は認められなかった.これ
はBおよびC群の内容量が超音波洗浄器の性能
に対して許容範囲であったことおよび洗剤使用
の効果と考える.
【結語】
3群とも先端部がギザ状のAPのほうが,表
面がスムースなGSよりも残留が多くみられた
ことから,器材の性状に合わせた積載量を把握
して使用することが重要である.