第97回日本医療機器学会大会

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Fri. Jun 3, 2022 3:15 PM - 3:45 PM ポスター会場 (アネックスホール フォワイエ)

[P1] エアーカーテンとエントレイメントを利用した早産児用NCPAP 素子

細井 健司1, 清水 正樹2, 柴田 早織2, 網塚 貴介3 (1.東京大学地震研究所, 2.埼玉県立小児医療センター, 3.青森県立中央病院)

【目的】
現在NICUにおいて自発呼吸する早産児の陽
圧呼吸管理は,SiPAP やNHFなどの非侵襲的
な方法が用いられている.特にSiPAPは,吸
気にSighを加えることで二相性CPAPを可能に
し,従来のDPAPよりも優位性がある.しかし
開始週数(抜管時期)が早い場合や高い設定で
長時間使用した場合に,腹部膨満を来すことも
報告されている.筆者らは,気管挿管による負
担軽減を目的として,経鼻的HFO管理が可能
なNCPAP(HNCPAP)素子の開発をおこなっ
てきた.本素子は,ジェットと鼻孔が直交して
いるために,ジェットを素子内の壁に一度衝突
させることで,エアーカーテンの形成と鼻孔側
のMAPの発生を同時におこなっている.そこ
で本発表の目的は,早産児用のHNCPAP素子
の特性を理解して頂き,実用化に向けて一歩前
進させることである.
【方法】
実験は,新生児用自発呼吸シミュレータ
(PT-2:アトムメディカル製) の健康な呼吸モー
ドに設定して,換気量一定(TV:7ml)で
MAP(300Pa ~ 900Pa)を変えた場合の実験
をおこなう.測定は,MAP,換気量,肺胞圧,
フロー,Cpap圧を同時に測定する.
【結論】
実験結果は,最初にMAPを増加させてもフ
ローが増加しないこと.次に呼気でMAPが増
加すると,MAPに依存して変動Cpap圧(Δ
Cpap=Cpap―MAP)がさらに減圧したこと
である.吸気の結果は,MAPを増加させると
ΔCpapが僅かに減圧するが,フローが増えな
いことよりSighを加え二相性CPAPにしても,
腹部膨満を生じないことを示している.呼気の
結果は,エントレイメント効果が増大して呼気
流れの排出のサポートできることを示してい
る.以上のように本素子は,吸気でエアーカー
テンにより生理的な吸気状態に近づき,呼気で
エントレイメントが呼気流れの排出をサポート
する.