第97回日本医療機器学会大会

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Fri. Jun 3, 2022 3:15 PM - 3:45 PM ポスター会場 (アネックスホール フォワイエ)

[P4] 臨床工学技士の常勤体制による医療機器管理の業務改善

栗山 太宏, 齋藤 暢, 齋藤 美保, 町田 歩 (奥沢病院 臨床工学科)

【背景】
今まで奥沢病院では臨床工学技士が常勤し
ておらず,TMG(戸田中央医科グループ)関
連病院である戸田中央総合病院と松井病院から
1回/週の出向で機器・人工呼吸器管理等をお
こなっていた.透析室開設を機に2021年5月よ
り常勤体制となったので,奥沢病院での業務に
ついて取り組みを報告する.
【内容】
1. 各病棟管理になっていたME機器の中央
管理化&消耗品の在庫管理
2. クラウド型ME機器管理システム「SAVEKIKI
」を導入し資産管理の実施
3.人工呼吸器管理の実施
4. 総務課・施設課がおこなっていたME機
器の修理対応
5.各種ME機器・消耗品類の選定
【結果・考察】
「SAVE-KIKI」を用いてME機器・消耗品を
中央管理し,医療機器の効率的な運用に繋げた.
今まで機器が故障した際は,施設課と総務課が
対応していたため医療機器に精通しておらず,
全機器をメーカ対応していた.それにより,メー
カ作業費を含め費用が高額となりMTTRも延
長していた.そこで,管理を臨床工学技士がお
こなうことで,6ヶ月間で38件の修理対応をお
こない,約47万円の修理費用削減とMTTRの
短縮に繋がった.また,日々の機器稼働状況を
考慮し,メーカレンタルや新規機器購入の提案
をした.その他,人工呼吸器業務において,ラ
ウンド業務を開始し,機器に装着されていた防
塵フィルタを廃止し,バクテリアフィルタの導
入をおこなった.また,感染管理と看護師の手
技時間短縮,コスト削減を目的に人工呼吸器回
路の交換頻度を1回/月から1回/3ヶ月への
変更と,ウォータートラップ型回路から熱線式
回路へ変えたことで,年間85万円のコスト削減
に繋げた.
【結語】
医療機器に精通した「臨床工学技士」が常勤
になったことで,効率的な機器運用をおこなう
ことができ,また病院が患者へ提供する医療の
質向上に貢献できていると思われる.