第97回日本医療機器学会大会

講演情報

シンポジウム

シンポジウム1 医療機器のイノベーション

2022年6月3日(金) 09:00 〜 10:55 第1会場 (アネックスホール F201+F202)

座長:南 茂(国際医療福祉大学成田キャンパス),沖野 晃俊(東京工業大学)

10:20 〜 10:40

[シンポジウム1] 集中治療室向け医療機器遠隔操作ロボットの開発

:起案から診療の実際

岡本 竜哉1, 深谷 隆史2,3, 濱名 晃子3, 丸岡 豊3, 木村 基3, 大手山 亮4, 渡野邉 哲也4, 藤原 友莉子4, 中尾 圭志5, 木村 昭夫1 (1.国立国際医療研究センター 集中治療科, 2.国立国際医療研究センター 臨床工学科, 3.国立国際医療研究センター医工連携推進室, 4.大成建設㈱, 5.㈱松浦電弘社)

【目的】COVID-19が流行し、感染防止の観点から感染区域の患者に使用する医療機器を感染区域外から安全に操作できないかとのニーズがあり、東京都医工連携HUB機構を通じて大成建設とマッチングし、遠隔操作ロボットを設置した点滴台を開発した。
【結果】
テーブルにロボットアームを取り付け、3本のポールに2台づつ計6台のシリンジポンプが取付け可能な点滴台を開発した。点滴台とアーム先端の小型カメラの画面を見ながらゲームパッドでアームを遠隔操作し、薬剤の流速変更や早送り・停止が可能であった。
【考察】
ロボットアームによる遠隔操作は、医療機器と直接接続しないこと、薬剤投与にはオペレーターの操作が必要なことから、医療機器としての承認は不要であった。
【結語】鎮痛鎮静薬や循環作動薬といった頻回に流速変更を行う薬剤の調節を感染区域外から行うことは、ICUの医療従事者の感染リスクを低減するのに有用と考えられる。