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[シンポジウム2] LVADの在宅管理における臨床工学技士としての関わり
わが国においては1994年に2種類の体外設置型補助人工心臓が保険適用されている。また、2011年に植込型補助人工心臓のDuraHeart®、EVAHEART™の2機種が心臓移植までの橋渡しBTT(Bridge To Transplantation)目的として保険適用され、2013年HeartMate ®Ⅱ、2014年にJarvic2000も保険適用され、その後もHeartMateⅢ™など様々なデバイスが使用可能となり、症例数も年々増加傾向にある。長崎県においては2012年1月に当院が植込型補助人工心臓実施施設となり、2014年3月に植込型補助人工心臓(HeartMate ®Ⅱ)の装着を行い、現在までに14症例の管理を行っている。植込型補助人工心臓は、体外設置型補助人工心臓と違い在宅での管理が認められており、今後、様々な地域での在宅医療が予想される。補助人工心臓治療は、様々な医療スタッフが携わる点が特徴的であり、互いの役割を認識し役割分担をすることで良好かつ円滑な管理を行うことができる。また、植込型補助人工心臓実施施設認定基準の中には「所定の研修を終了している医療チーム(医師、看護師、臨床工学技士を含む)があり、人工心臓管理技術認定士が1名以上いる。」という条文があり、植込型補助人工心臓の管理を行なう上で人工心臓管理技術認定士は必要不可欠な存在として認められている。その中で、臨床工学技士の業務は術前・術中・術後、そして退院後の在宅管理・外来と大変幅広く重要な役割を担っている。今後は、永久使用DT(Destination Therapy)としての適応拡大認められ、更に患者数は増加していくことが予想される。今回は、当院での補助人工心臓治療における人工心臓管理技術認定士としての臨床工学技士の関わりを在宅治療における管理を中心に現状と工夫、そして今後の展望を自身の研究もふまえて報告したい。