16:40 〜 17:00
[シンポジウム3] 医療機器安全管理責任者の現状と課題
-大学附属病院Drの立場から-
医療機器安全管理責任者は,2007(平成19)年施行の改正医療法で定められた役職である.その業務内容は,医療機器安全使用のための職員研修,保守点検計画の立案と実施,機器安全使用に関する情報収集と改善活動となっている.しかし,医療機器安全管理責任者を設置するだけでこれらの活動が進むわけではなく,当院では,実質的に進み始めたのは,2016年,国際的な病院評価のJCI (Joint Commission International)を受審することが決定し,医療機器に関与する組織の改編が行われた頃からと考えられる.改編の柱は,医療機器・材料の購入から現場までのサプライと,機器の保守・修理・更新を一貫して運営し,機器に関する職員教育を管理する目的で,医師,臨床工学技士,経理課の多職種からなる医療機器総合管理部が組織されたことであった.医療法施行規則で医療機器安全管理責任者に求められる業務とJCIが医療機器のサプライチェーンに求める事項の多くが重なったことがあり,医療機器総合管理部設置後,未だ途上ではあるがさまざまな改善がなされた.この概要についてご紹介したい.