第98回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

医療機器管理

医療機器管理1

2023年6月30日(金) 10:20 〜 11:10 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:真下 泰(新さっぽろ病院)

10:40 〜 10:50

[10] 手術準備システム変更に伴う病棟外来での医療器材管理を含めたシステム検討への取組み

三浦 順子, 大野 理恵, 金澤 悦子, 瀬戸 初江 (東北医科薬科大学病院)

【はじめに】
手術部で使用される医療器材(以下器材)は術式や術者により様々な手術器械や特殊機器,消耗品等を準備する必要がある.そのため,年単位で契約している現行の手術準備システム(以下システム)を用いて材料部スタッフや手術部看護師が準備をしていた.しかし,このシステムは紙媒体での器材準備表としての運用のみで,器材の使用頻度や帳票としてのデータ蓄積・器材管理が容易にできないため,業務内容の可視化ができなかった.今回,新年度に向けたシステム変更に伴い,さらに病棟外来での器材管理に応用できないかと考え取り組みをおこなった.
【従来のシステムの問題点】
従来のシステムは,手術器材の準備表システムとして器械セット・特殊機器・衛生材料等をマスタ登録し運用しているが,術式と紙媒体で出力した準備表のリスト内容がマッチしてないことが多々あり,看護師と事務スタッフで確認することが多かった.また,器材の使用実績や帳票としての月報・年報が容易に出力できていない状況にあった.一方,病棟外来の器材管理は全て紙媒体で運用され,部署より回収した器材を材料部スタッフがダブルチェックをおこない,さらに器材の供給時に材料部スタッフと病棟外来看護師でダブルチェックをおこなっており,かなりの手間や時間を要していた.
【検討しているシステム】
手術部については術式や術者に応じて使用した器材の使用頻度の確認やデータ蓄積,病棟外来については部署単位での器材の定数化を図りバスケットごとの回収供給および二次元バーコードの作成と読取,大型滅菌機械の手書き記載から読取への移行,全体的には業務内容が帳票として可視化できるように検討した.
【期待される効果】
従来の紙媒体でのシステム運用から電子媒体への移行により容易に器材管理がおこなわれ,業務内容の可視化が期待できる.また,業務時間の短縮や業務の効率化にもつながり,器材管理の質の向上に役立つと考える.