第98回日本医療機器学会大会

Presentation information

Oral presentation

洗浄

洗浄2

Fri. Jun 30, 2023 2:00 PM - 3:00 PM 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:松山 利秋(産業医科大学)

2:10 PM - 2:20 PM

[14] 目視に拠らない洗浄インジケータの残存汚れの客観的評価法

児山 祥平1, 平田 晴輝1, 塩川 宗志1, 三浦 寿朗2, 鶴島 信孝2 (1.信州大学繊維学部, 2.サクラ精機㈱)

再生器材の滅菌を担保するための洗浄の重要性は,広く認知されてきた.しかしながら,洗浄装置による洗浄は,運転完了後に医療器具と一緒に洗浄された洗浄インジケータのソイルの残存具合を目視によって評価しているのが現状である.ソイルが明らかに残存している場合は問題なく「否」と評価できるが,残存量が微量な場合の目視での判定は,判定者の個人差もあり非常に困難である.そこで,目視によらない客観的な評価方法について一定の評価が得られたので報告する.今回,広く利用されている赤色の洗浄インジケータに緑色LED光源を照射し,そこからの反射光を高性能カメラで撮影して,ソイルをグレースケール画像として検出させる事で目視によらない判定が可能となった.光源である緑色光は対象となるソイルの赤色に対する補色であることから,画像上では黒色で表示される.実験に際して,最適な光源強度を検証し,決定された光源強度で全ての試料に対して画像計測した.計測された画像に各種処理を施し,ソイルが存在する場所を鮮明に表示させて残存汚れ量を把握した. 試料には市販されているプラスチック製洗浄インジケータを使用した.残存するソイル量に差をつけるため,未洗浄試料および洗剤で手洗いした試料と共に超音波洗浄装置で洗浄した合計9種を試料として採用した.試料を解析した結果,20分間の超音波洗浄試料および,洗剤を使用してしっかりと洗浄した目視ではソイルが認められない試料においては,汚れを表す黒色ピクセルは検出されなかった.一方,目視で微量ながらもソイルが存在していた試料においては,汚れの程度によって黒色ピクセルが検出された.インジケータ上に残存するソイルの有無を黒色ピクセルの量による評価が可能であることから,客観的な洗浄評価方法になり得ること,さらにデータ化によるメリットが想定されるとして本件の画像評価方法を提案する.