第98回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

滅菌業務管理

滅菌業務管理1

Fri. Jun 30, 2023 4:00 PM - 4:50 PM 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:児玉 要輔(富永草野病院)

4:00 PM - 4:10 PM

[19] 院内滅菌供給部門だけでなく委託先の院外滅菌センターも含めて評価ツールを活用

水谷 光1, 中村 陽一2, 古西 一貴2, 吉田 篤史2, 林 有香 (1.千船病院 麻酔科・手術中材センター, 2.千船病院 管理科)

【目的】
292床の当院は年間約4,000件の手術をおこなっている.洗浄・滅菌は,手術器械の大部分と,手術部以外で使われた器械の全部を,院外の滅菌センターに委託している.院内の滅菌供給部門(以下CSSD)について「医療現場における滅菌保証のための施設評価ツール」(以下評価ツール)で評価すると高得点ではなく,現在その弱点を改善中である.センターでの洗浄・滅菌が適切かどうか不明であったので,確認のために視察を計画した.同時に,センターに評価ツールが適用できるかを確かめた.
【方法】
病院管理部門を通して視察を依頼した.センターが全稼働ではない土曜日に,事務員1名
(MDIC),CSSD職員2名(うち1名は第2種滅菌技士),CSSD管理者1名(第1種滅菌技師, MDIC),外部専門家1名(第1種滅菌技師)が訪問した.
【結果】
洗浄室と組立室の視察と事務局での書類確認に1時間30分,その後の意見交換に1時間を要した.いくつか疑問点もあったが,洗浄器や滅菌器の日常管理は目視点検やテストツール(インジケータ類)を使用し,概ね適切におこなわれていた.評価ツールが求める稼働性能適格性確認(以下PQ)などはおこなわれていなかった.
【考察】
PQなどがおこなわれていなかった理由は,センターは日本滅菌業協会が制定する「滅菌業の施設および業務に関する自主基準」を指標として医療関連サービスマーク認定の審査を受けてきたからと考えられる.センターが評価ツールで満点でないのは,その業務の質の問題ではなく,評価基準の違いによると考えられた.
【結語】
院外滅菌センターの活用は医療施設にとって選択肢の一つであり,その契約の際には,金額だけでなく業務の質についても検討しなくてはならない.その確認には視察が有用である.評価ツールは医療施設の規模を問わず用いられるように作成されており,院外滅菌センターの質の判断の助けとしても適用できる.ただし,一部の設問については該当しない.