第98回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

滅菌業務管理

滅菌業務管理1

Fri. Jun 30, 2023 4:00 PM - 4:50 PM 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:児玉 要輔(富永草野病院)

4:10 PM - 4:20 PM

[20] 施設評価ツールを実施したことで見えた課題と今後の取り組み

阿部 理 (鴻池メディカル㈱人材育成課)

昨年,日本医療機器学会より発行された「医療現場における滅菌保証のための施設評価ツールVer.1.01」(以下施設評価ツール)を用いることで,業務が適切におこなえている点と不足している点が明らかになり,施設における滅菌供給部門の業務レベルを客観的に評価することができる.当社が受託している100以上の施設において施設評価ツールを実施したことで見えた課題と今後の取り組みについて報告する.
当社が受託している100以上の施設と10の滅 菌センターを対象に,施設評価ツールを用いた自己評価を実施し,得点率の平均を算出.その結果,最も高い得点率だった項目は滅菌業務で 80%のA評価.最も低い項目はバリデーションで40%のD評価だった.滅菌業務の得点率が高かった要因としては,当社は,院外・院内滅菌消毒業務の医療関連サービスマークを取得しており,施設評価ツールの内容に類似した項目(B&Dテスト・CI / BIの使用頻度・各種滅菌のモニタリングに関して等)への取り組みがなされていたことが要因と考えられる.一方で最も得点率が低かったバリデーションに関しての主な要因として,1.病院様とバリデーションの必要性についての共有不足.2.病院様と稼働性能適格性確認(以下PQ)を実施するための器材や洗浄滅菌装置の確保・実施する人材確保等についての協議不足.3.当社職員のバリデーションに関する知識不足の3点が考えられる.
以上のことから,今後の取り組みとして,施 設評価ツールの評価項目を参照にRMDの品質向上に向けて病院様と協議していくことが重要であると考える.また,当社職員のバリデーションに関する知識向上のために勉強会を実施しレベルの向上を図る.PQについては受託施設において当社保有のデータロガーを用い,PQが実施できるように取り組みを図っていく.今回の施設評価ツールの結果が,質保証に取り組むきっかけとなり,その指標が明らかになった.