第98回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

技術開発/改良

技術開発/改良

2023年6月30日(金) 09:00 〜 10:10 第4会場 (アネックスホール F204)

座長:吉田 靖(滋慶医療科学大学)

09:40 〜 09:50

[34] 地元IT企業と開発した透析装置と電子カルテ経過表との連携

山中 英樹1, 錦織 伸司1, 宮里 恵美1, 福島 成文1, 福間 優太1, 白築 春奈1, 渡部 尚人1, 井関 慧1, 福谷 茂雄2, 加田 稔2, 内田 博之2 (1.島根県立中央病院 臨床工学科, 2.フレックス・ポイント・システムズ㈱)

【はじめに】
血液透析システムは現在透析装置メーカ,またはIT関連メーカより販売されているが,多くのシステムは部門システムとして患者管理や物品管理機能等が付帯されたシステムであり,価格も高額となる.
地元のIT企業であるフレックス・ポイント・システムズ㈱(以下FPS社)と共に,透析プロトコルを使用して電子カルテとの経過表連携に特化した独自透析システム開発をおこない, 2022年3月より稼働したので開発における利点と問題点を考察する.
【対象】
当院の電子カルテシステム富士通社製統合情報管理システム(IIMS)上の血液浄化経過表.透析用監視装置(以下コンソール)は東レ社製 TR-3300M・15台,TR-10EX・8台である.
【システム構成】
サーバー:病院仮想サーバー(vSphere),通信方式:透析用通信プロトコルVer 4,システム管理クライアントPC:LenovoThinkCentre,コンソール用通信装置:RaspberryPi4である.
【結果】
FPSとは2021年6月より設計を開始し,開発期間に約7ヶ月を要した.連携テスト時には様々な透析用通信プロトコルによる出力項目にはI-HDFの補液データ,BVモニタの値など経過表内の項目に出力できない項目がある.
また,コンソール上の透析終了フラグがカプラOnによるため,止血終了後に血圧を図った場合データの紐づけができない問題が生じたため,通信装置に物理ボタン設置する事で終了フラグの変更が可能となった.
【考察・結語】
今回経過表の連携を軸に機能を絞り込むことで,パッケージ製品を購入するより大幅にコストを削減できた.また,地元IT企業のFPS社は病院から5分の場所に事務所があるため,開発からトラブル対応まで頻回・迅速な対応が可能であった.透析用通信プロトコルの項目は BVモニタなどのオプション項目も対応を望みたい.