第98回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

医療安全対策

医療安全対策1

Fri. Jun 30, 2023 2:00 PM - 3:00 PM 第4会場 (アネックスホール F204)

座長:瀬戸口 秀一(佐賀大学)

2:30 PM - 2:40 PM

[46] 看護業務量調査に関する実態把握およびシステム運用に向けた検討

三浦 順子, 大野 理恵, 金澤 悦子, 半田 厚子, 瀬戸 初江, 清水 直子 (東北医科薬科大学病院)

【はじめに】
看護業務量調査(以下業務量調査)は業務の状況を把握し業務改善や業務の効率化を図る目的で,様々な医療施設で実施されている.しかし,業務量調査方法等でスタッフや担当者の労力や負担が強いられているため,業務量調査の実態把握とシステム運用に向けた検討を目的にアンケート調査を実施した.
【方法】
対象者は医中誌Webで「看護業務量調査・タイムスタディ」のキーワードで文献検索した 31件の医療施設の看護部職員とした.期間は2021年10月6日~ 11月15日までの約1ヶ月間.データ収集方法は無記名自記式質問紙調査票による調査(郵送)で,内容は業務量調査に関する32項目とした.倫理的配慮として,対象の看護部長へ研究の趣旨・目的,自由意思での参加,無記名調査票での実施を文書で郵送した.本研究は東北医科薬科大学病院臨床研究審査委員会の承認を得て実施した(承認番号:2021- 2-071).
【結果】
31件(155名対象 ) 中15名回 答( 回収率 10%).業務量調査の大項目は「患者ケア「」記録・申し送り」が各13名(86.7%),「診療補助業務」 10名(66.7%)であった.期間は「平日の5日間」が10名(66.7%)で最も多かった.入力方法は「自記式記入」が9名(60.0%),で「勤務終了後の時間外にまとめて入力」が8名(53.3%),業務量調査に対する負担感は「負担であった」の否定的回答が11名(73.3%)であった.自由記載では「負担にならない方法があると良い」「業務が重なるとそのつどの記入は難しく曖昧な記入になった」であった.
【考察】
業務量調査では,患者ケアや診療補助業務等の直接ケアを実施しながらの自記式記入の難しさや,勤務終了後の時間外入力にかなりの負担があることが伺えた.業務改善や業務の効率化を図るためには業務量調査は必要であることから,負担を強いられない迅速なデータ収集や容易に可視化できる業務量調査システムを検討することが求められる.