第98回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

医療機器管理

医療機器管理1

2023年6月30日(金) 10:20 〜 11:10 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:真下 泰(新さっぽろ病院)

10:20 〜 10:30

[8] 太陽光発電 Bluetooth ビーコンを用いた医療機器所在管理システムの試作

渡邉 研人1, 柴田 大貴1, 加藤 彩夏1, 佐藤 諒1, 丸山 航平1, 石丸 裕美1, 富樫 紀季1, 御厨 翔太1, 大塚 隆浩1, 板谷 祥子1, 中井 歩1, 高澤 賢次2 (1.独立行政法人地域医療機能推進機構 東京山手メディカルセンター 臨床工学部, 2.独立行政法人地域医療機能推進機構 東京山手メディカルセンター 心臓血管外科)

【背景】
医療機器の所在把握は,法的要件を満たすため,医療資源を無駄なく有効活用するために欠かせない.近年,RFIDタグやBluetooth ビーコンを用いた医療機器所在管理システムが市販されているが,電池交換の手間が省ける太陽光発電Bluetoothビーコンの事例報告はない.
【目的】
太陽光発電Bluetoothビーコンを用いた医療機器位置情報認識システムを試作し,病棟において検証することを目的とした.
【構築方法】
ハードウェアに東洋エレクトロニクス社製電池レスビーコン(PB10-B,PB20-B),DELL社 製Windows Server PC(Server PET620)およ びApple社 製iPadを, ソフトウェアに Claris社 製FileMaker Server 17,FileMaker Pro Advanced 17およびFileMaker Go 17を用いた.iPadをビーコン信号検知機として各部門に置き,ビーコン信号を受信した際にServerへデータを保存し,システム上に医療機器の所在が反映されるようにした.
【検証方法】
ビーコンを貼付した除細動器を3階ICUに配置し,ビーコン信号受信機として設定したiPadをICUおよび8階医療機器管理室に設置した.その後,消灯への影響を確認するため,ICUにおける24時間のビーコン受信データを確認した.また,太陽光発電が機能する日勤帯に除細動器をICUから医療機器管理室へ移動させ,システム上に場所の移動が正しく反映されるか検証した.
【結果】
日勤帯はビーコン信号が発信されてServerへのデータ保存が可能であったが,消灯する22時から翌朝7時までは照度が足りず発電できなかった影響によりデータは取得されていなかった.また,移動に関してはシステム上に正しく反映された.
【結語】
夜間帯での所在管理に課題が残るものの,電池交換不用なBluetoothビーコンによる医療機器所在管理システム開発が可能だった.今後は,夜間帯のデータ欠損の欠点を補うことが可能と予想される蓄電池を搭載した太陽光発電ビーコンによるシステムを検証する予定である.