第98回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

滅菌

滅菌3

2023年7月1日(土) 15:00 〜 15:50 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:谷口 優樹(東京大学)

15:00 〜 15:10

[84] 単回使用医療材料の再滅菌実態調査と適正使用への取り組み

三瓶 正弘, 遠藤 力, 宮下 達也, 岩浅 寛美, 長嶺 豊和 (一般社団法人竹田健康財団竹田綜合病院 看護部・中央滅菌材料室)

【はじめに】
単回使用医療材料(以下単回使用品)は「そのまま使用でき,一回限りの使用で廃棄するもの」と定義される.医療現場における滅菌保証のガイドライン2021において,滅菌供給部門における再使用可能医療材料の再生処理は品質マネジメントシステムを基としたバリデーションに従って実施するよう勧告されている.洗浄・滅菌業務は中央滅菌材料室(以下中材)で実施している.しかし医療材料は使用部署に納品されるため中材に依頼される材料が単回使用か否かは正確に把握できていない.そこで病棟・外来における単回使用品の再滅菌実態調査をおこない単回使用品の適正使用に取り組んだ.その内容を報告する.
【目的】
単回使用品の再滅菌実態調査をおこない適正使用を図る.
【方法】
期間 2022年4月1日~9月30日
方法 鋼製小物管理システムの活用と電話聞き取り材料の添付文書を入手し,単回使用か否かを確認する依頼部署に単回使用である旨報告し再生の中止を依頼する.
【結果および考察】
該当したのは6部署6種類の材料で,のべ 105回の再滅菌依頼があった.内訳は,医療用嘴管および体液誘導管5種類85回,電気手術器1種類20回で全てEOG滅菌の材料であった.再使用の理由として,「添付文書の内容を十分に把握しておらず,単回使用品だと知らず依頼していた」「新型コロナウィルスやロシアウクライナ侵攻による物流停滞の影響でやむを得ず再使用していた」ことの2つがあげられた.製品情報の未把握事例については再生禁止を依頼した.物流停滞については再使用の禁止を依頼するとともに物流の確保について関係部署に協力を依頼した.洗浄・滅菌業務を担当する中材でも製品情報の管理が求められる.また物流の停滞については関連する取引先や使用部署との調整が必要である.
【結論】
単回使用品の再滅菌実態調査をおこない再生使用を削減した.物流の停滞している単回使用品については関連する取引先や使用部署との調整が必要となる.