第98回日本医療機器学会大会

Presentation information

Oral presentation

医療機器管理

医療機器管理3

Sat. Jul 1, 2023 4:00 PM - 4:50 PM 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:楠本 繁崇(大阪大学)

4:00 PM - 4:10 PM

[89] 輸液ポンプの更新基準スコアの作成

成田 孝行1,2, 末吉 全和1, 宇野 瑞歩1, 松本 紗季1, 佐藤 貴彦1, 南谷 克明1, 宗万 孝次1, 林 達哉2 (1.旭川医科大学病院 診療技術部 臨床工学技術部門, 2.旭川医科大学病院 手術部)

【経緯】
当大学では気泡センサ異常によるトラブルの経験より,稼働時間20,000時間超の輸液ポンプの気泡センサの定期交換を実施している.しかし,気泡センサ定期交換153件実施し修繕後のトラブルが閉塞圧異常10件,4件がErrbを発生したため廃棄とした.交換対象は10年以上を経過し長期間使用しているのが現状であった.
【目的】
今回,輸液ポンプの使用年数,修繕頻度,修繕箇所について点数化し,更新スコアを試作し検討したので報告する.
【方法】
輸液ポンプ修繕内容および件数,修繕結果,使用年数より更新基準スコアの作成を実施した.これらデータより,すでに廃棄された機器並び現使用機に対して更新基準スコアの検証を実施した.
【結果】
輸液ポンプ修繕結果から,BT交換,ACインレット,本体カバー,閉塞センサ,ドア前パネル,タイミングプーリー,メイン基板等の修繕がおこなわれていた.結果より修繕部品,使用年数を点数化し更新基準スコアの作成をおこなった.更新基準スコアを使用し現在稼働中の輸液ポンプ440台のスコア評価結果より,10年~ 15年未満の輸液ポンプは故障頻度も高くスコアの有用性が確認された.廃棄機器のスコアも同じく使用15年経過した機器が9割以上を占めていた.今後は15年以上の輸液ポンプについては更新対象優先する方針とした.
【考察】
気泡センサ交換後のトラブルより使用年数 10年以上の輸液ポンプは,部品等の劣化は各箇所に起きると考えるべきと思われた.しかし,更新は実施しても使用頻度が高く不足している現状から継続使用することも少なくない.今回,修繕内容,使用年数より更新基準スコアを作成し,機器の性能と安全性が少なからず確認できると思われた.さらに10年以上の輸液ポンプは,使用上注意が必要となると考慮しなくてはならず安全性を確認することができるツールであると思われた.
【結果】
輸液ポンプの更新基準スコアは,信頼性,安全性の観点から更新計画を立案するに対し有用であると思われた.