第98回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

医療機器管理

医療機器管理3

Sat. Jul 1, 2023 4:00 PM - 4:50 PM 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:楠本 繁崇(大阪大学)

4:10 PM - 4:20 PM

[90] 輸液ポンプの段階的リース化における更新対象機器を利用した必要台数把握

松月 正樹, 辻 亜弓, 加藤 隆史, 山田 昌子 (三重大学医学部附属病院 臨床工学部)

【背景】
輸液ポンプの更新において6年契約のリース機器を導入した.全台リース化を目標に2018年度から2022年度まで年度毎に分割して契約する段階的リース化を実施し,導入する年度毎に更新対象機器を廃棄する計画とした.リース化の際に保有台数を約120台増加させたが,院内使用台数の急増により全リース機器導入後の 2022年度も不足状態が続いた.このため,更新対象機器の全廃棄を取止めて余剰化し不足台数を補填した.本更新では必要台数把握時に利用する機器の保有台数が著しく不足していたと推察された.
【目的】
余剰な更新対象機器を利用した必要台数把握をおこない,リース契約更新時の指標とする.
【方法】
医療機器管理システム(Me-ARC:メッツ社)を用いて,更新対象機器(TE-161SAC:テルモ社)220台のうち,廃棄済み58台を除いた162台の日別稼働率を調査した.稼働率は貸出率とし,貸出率=[貸出台数/(162台-保守中台数)]×100と算出した.調査期間は2022年4月から2023年3月とした.
【結果】
更新対象機器の日別稼働率は37.8±5.80%(Mean±SD)であり貸出可能在庫の目標台数 25台を合わせると約80台不足していた.
【考察】
必要台数は2018年度リース契約更新時にあたる2024年度に増備することで全台リース化が見込まれる.必要台数把握時には余剰状態における調査が必要であり今回余剰な更新対象機器の利用が有用であったが,2024年度に廃棄予定である.今後把握時に不足状態が予測される場合は,レンタル機器の利用を検討する必要がある.一方,今後は使用台数が減少する可能性もある.これに対し,6年契約のリース機器を6年毎の一括契約ではなく分割して順次毎年契約することで,必要台数把握による更新計画を毎年立案でき,必要台数の増減に迅速な対応が可能と考える.
【結語】
更新対象機器を利用することで余剰状態における稼働率調査ができ,リース契約更新時における必要台数の算出が可能となった.