第98回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

手術室

手術室2

2023年7月1日(土) 09:00 〜 09:40 第4会場 (アネックスホール F204)

座長:吉田 理香(東京医療保健大学)

09:20 〜 09:30

[96] 当院における手術室看護師の業務を対象としたタスク・シフト/シェアの取り組み

前田 延子1,2, 足立 好美1,2 (1.鳥取大学医学部附属病院 手術部, 2.鳥取大学医学部附属病院 材料部)

【はじめに】
当院手術部は,年間手術件数7,954件で,看護師51名,看護補助者4名の組織である.特定機能病院として高度で多様な手術に対応できる体制をとっている.2022年度に術前スクリーニング外来の開設や術後疼痛管理チームを発足し,手術準備や回復期の看護における手術室看護師の役割が拡大した.そのため,看護師は,その専門性を要する業務に専念できるよう多職種との業務分担についての見直しや検討が必要となった.今回,手術室看護師の業務を対象に,看護補助者と外部委託職員の協働を推進した取り組みを実施したので報告する.
【方法】
手術室看護師を対象に「なくす」「減らす」「変える」「移す」ことができる業務についてアンケートを実施した.アンケートの結果から,看護補助者と医療機器の再生業務を請け負う外部委託職員に委譲できる業務を抽出した.看護補助者チームは,看護師の業務の一部を受け持つために,減らすことができる業務について検討し,業務実施体制を見直した.外部委託会社に対しては,契約内容が順守されているかを確認し,看護師および看護補助者の業務内容の一部を委譲した.
【結果】
看護補助者の配置は,手術部内を4つの区域に分けて業務を実施することに変更した.医療機器の再生業務を請け負う外部委託会社は,手術器械のセット組みをおこなう場所を材料部から手術部内の洗浄・組み立て室に変更し,専従で業務に従事する職員1名を配置した.これにより,看護師の手術で使用する医療機器の準備や再生業務の負担が軽減した.
【まとめ】
手術室看護師の業務の一部を委譲したことで,手術看護に関する業務に専念できる環境づくりに貢献できたと考える.今後も「患者にとっての利益」を重視しながら,新たな業務を担うこととなった看護補助者や外部委託職員に必要な教育やマニュアルの更新などの体制整備に努めたい.