09:30 〜 09:40
[97] 臨床工学科技士の器械出し業務の現状
~タスク・シフト/シェア~
【目的】
医師の働き方改革に伴う具体的方策としてタスク・シフト/シェアが進められている.厚生労働省は臨床工学技士(以下CE)の現行制度上実施可能な業務として,各種手術等において術者に器材や医療材料を手渡す行為などを整理した.この器械出し業務の領域は,以前から CEの業務として参入が検討されていた.しかし,実際におこなっている施設は散見される程度であり,告示研修の内容においても,器械出し業務について具体的な方向性は示されていない.そこで今回,当院CEの器械出し業務の現状について後ろ向きに調査した.
【方法】
対象期間は,器械出しを開始した2009年から 2021年とし,調査項目は,手術件数,器械出し件数,腹腔鏡手術件数,3時間以上の手術件数,緊急手術件数,CEと看護師の平均経験年数とした.
【結果】
総手術件数28,394件のうちCEの器械出し件数10,356件.腹腔鏡手術件数2,488件のうちCEの器械出し件数1,157件.3時間以上の手術件数3,115件のうちCEの器械出し件数1,335件.緊急手術件数3,869件のうちCEの器械出し件数 1,714件.CEの平均経験年数±4.8年,看護師は±3.5年であった.
【考察】
CE 3名で全手術の3割,腹腔鏡手術,3時間以上の手術,緊急手術5割の器械出し対応を認めた.CEは全診療科に対し高難度で,長時間および緊急手術に対応している.これは,看護師は,業務ローテーションや離職率が高いという背景もあり,CEが器械出しのスペシャリストとして貢献していると考えられた.当院は,長期ローテーションを採用したことが功を奏し,器械出しのスペシャリスト育成を達成することができている.スペシャリストの育成が,手術室におけるタスク・シフト/シェアに貢献できることが示唆された.
医師の働き方改革に伴う具体的方策としてタスク・シフト/シェアが進められている.厚生労働省は臨床工学技士(以下CE)の現行制度上実施可能な業務として,各種手術等において術者に器材や医療材料を手渡す行為などを整理した.この器械出し業務の領域は,以前から CEの業務として参入が検討されていた.しかし,実際におこなっている施設は散見される程度であり,告示研修の内容においても,器械出し業務について具体的な方向性は示されていない.そこで今回,当院CEの器械出し業務の現状について後ろ向きに調査した.
【方法】
対象期間は,器械出しを開始した2009年から 2021年とし,調査項目は,手術件数,器械出し件数,腹腔鏡手術件数,3時間以上の手術件数,緊急手術件数,CEと看護師の平均経験年数とした.
【結果】
総手術件数28,394件のうちCEの器械出し件数10,356件.腹腔鏡手術件数2,488件のうちCEの器械出し件数1,157件.3時間以上の手術件数3,115件のうちCEの器械出し件数1,335件.緊急手術件数3,869件のうちCEの器械出し件数 1,714件.CEの平均経験年数±4.8年,看護師は±3.5年であった.
【考察】
CE 3名で全手術の3割,腹腔鏡手術,3時間以上の手術,緊急手術5割の器械出し対応を認めた.CEは全診療科に対し高難度で,長時間および緊急手術に対応している.これは,看護師は,業務ローテーションや離職率が高いという背景もあり,CEが器械出しのスペシャリストとして貢献していると考えられた.当院は,長期ローテーションを採用したことが功を奏し,器械出しのスペシャリスト育成を達成することができている.スペシャリストの育成が,手術室におけるタスク・シフト/シェアに貢献できることが示唆された.