9:50 AM - 10:00 AM
[99] テキストマイニングによる日本医療機器学会での発表の動向分析
【目的】
本学会はまもなく設立から100年を迎える.本学会は広く医療機器と関連する分野を対象としているが,近年は細分化された学会も多く設立されている.本研究では,これまでの本学会大会で発表された研究タイトルを分析し,本学会の研究領域と近年の動向を可視化することを目的とした.
【方法】
過去45年間の本学会大会で発表された,一般・トピックス演題計4,379件のタイトルを分析した.テキストマイニングソフトKH Coderを用いて,年代ごとの単語の出現頻度と抽出語同士の共起関係を分析した.
【結果】
1970年~ 80年代では,「滅菌」と「用具」,「透析」や「人工心臓」などと「試作」・「開発」と言った語と結びつきが強かった.また,「医療機器」と「管理」・「手術室」なども高い関連性があった.90年代では「電気メス」と「基礎検討」「,データコード」と「自動」などに関連性があった. 2000年代以降では,「洗浄」と「効果」・「方法」,「医療機器」と「中央管理」・「システム」,「臨床工学技士」と「業務」などに高い関連性があった.また,極近年では「COVID-19」と「対応」などに関連があった.
【考察とまとめ】
本学会は,滅菌や感染制御分野の発表は時代を問わず一定の発表件数があり,本邦を代表する確固たる地位の学会であると考える.また,手術関連の演題も若干の減少傾向にあるが,一定の発表件数を維持していた.一方,人工臓器や生体計測などの医用工学の基礎研究は,80年代までは多かったが,近年はこれらの細分化された学会に議論の場が移り変わったと考えられた.他方,医療機器の安全管理や臨床工学に関連した分野は,臨床工学技士の国家資格化以降に急増しており,本学会の第3の分野として成長しつつある.医療機器を取り巻く環境は時代と共に変化し続けることが予想される.そのような中で,本学会が強みとする分野においては,高い品質の議論を継続していくことができる環境が望まれる.
本学会はまもなく設立から100年を迎える.本学会は広く医療機器と関連する分野を対象としているが,近年は細分化された学会も多く設立されている.本研究では,これまでの本学会大会で発表された研究タイトルを分析し,本学会の研究領域と近年の動向を可視化することを目的とした.
【方法】
過去45年間の本学会大会で発表された,一般・トピックス演題計4,379件のタイトルを分析した.テキストマイニングソフトKH Coderを用いて,年代ごとの単語の出現頻度と抽出語同士の共起関係を分析した.
【結果】
1970年~ 80年代では,「滅菌」と「用具」,「透析」や「人工心臓」などと「試作」・「開発」と言った語と結びつきが強かった.また,「医療機器」と「管理」・「手術室」なども高い関連性があった.90年代では「電気メス」と「基礎検討」「,データコード」と「自動」などに関連性があった. 2000年代以降では,「洗浄」と「効果」・「方法」,「医療機器」と「中央管理」・「システム」,「臨床工学技士」と「業務」などに高い関連性があった.また,極近年では「COVID-19」と「対応」などに関連があった.
【考察とまとめ】
本学会は,滅菌や感染制御分野の発表は時代を問わず一定の発表件数があり,本邦を代表する確固たる地位の学会であると考える.また,手術関連の演題も若干の減少傾向にあるが,一定の発表件数を維持していた.一方,人工臓器や生体計測などの医用工学の基礎研究は,80年代までは多かったが,近年はこれらの細分化された学会に議論の場が移り変わったと考えられた.他方,医療機器の安全管理や臨床工学に関連した分野は,臨床工学技士の国家資格化以降に急増しており,本学会の第3の分野として成長しつつある.医療機器を取り巻く環境は時代と共に変化し続けることが予想される.そのような中で,本学会が強みとする分野においては,高い品質の議論を継続していくことができる環境が望まれる.