第98回日本医療機器学会大会

講演情報

パネルディスカッション

パネルディスカッション1 再製造単回使用医療機器の推進と今後の展望-R-SUDを知ってもらいたい-

2023年6月30日(金) 09:00 〜 10:25 第1会場 (アネックスホール F201+F202)

座長:深柄 和彦(東京大学),山本 栄一(国立医薬品食品衛生研究所)

09:00 〜 09:10

[パネルディスカッション1] 基調講演 再製造単回使用医療機器の現状と課題

山本 栄一 (国立医薬品食品衛生研究所 医療機器部)

単回使用医療機器(Single Use Device:SUD)を始めとする医療機器の進歩は、患者の疾病治療ならびに医療の高度化に大きく貢献している。その一方で、SUDの使用は、医療費や医療廃棄物の増加等の課題を伴う。これらの課題に対処することを目的として、米国等では、製造販売業者が使用済みSUDを収集・分解・洗浄・滅菌処理し、原型医療機器と同等の品質・性能を有する再製造 SUD(R-SUD)の開発・利用が進んでいる。
我が国では、2017年に「単回使用医療機器(SUD)再製造制度」が施行された。産学官のステークホルダーズがR-SUDの推進に取り組んだ結果、2019年以降、5つのR-SUD製品の上市に結実し、今後も品目数の増加が見込まれている。
国民が将来にわたり適切な医療を享受できるように、医療機関のコスト削減に基づく医療費抑制を達成しつつ、今日の医療システムを維持・発展させるために、R-SUDの利用を一般化することが重要である。さらに、今後のSUD等の原材料価格の高騰や国際物流を含む環境変化等の様々なリスクに備えるべく、R-SUD製品等を活用する更なる資源循環型の医療システムを構築することが望まれる。
本講演では、国立医薬品食品衛生研究所 医療機器部のR-SUDに関する研究や国内の医療機関と企業を対象としたR-SUDに関するアンケートの結果等を紹介しつつ、R-SUDの現状と課題を概観する。