第98回日本医療機器学会大会

講演情報

パネルディスカッション

パネルディスカッション3 軟性内視鏡リプロセスの中央化について考えよう

2023年6月30日(金) 09:00 〜 10:25 第2会場 (アネックスホール F203)

座長:藤原 道隆(名古屋大学),足立 好美(鳥取大学)

09:09 〜 09:18

[パネルディスカッション3] 軟性内視鏡リプロセスの中央化のメリット

~地域中核病院滅菌供給部門(CSSD)の立場から~

酒井 大志 (越谷市立病院 看護部 中央滅菌室・手術室)

【はじめに】
再使用可能医療機器の洗浄・消毒・滅菌においては、予てより中央化の重要性が説かれ、多くの施設で進んでいる。対して、軟性内視鏡リプロセスのCSSDによる集中処理は進んでいないのが現状である。
【CSSD処理の障壁】
軟性内視鏡は高額であり、潤沢に保有できずリプロセスに十分な時間の確保が難しいこと、内視鏡室とCSSDの距離が離れていると洗浄開始までに時間がかかり、汚染物が凝固などによって落ち難くなってしまうことは、CSSD処理の大きな障壁である。
【当院での事例】
当室は内視鏡室との距離が近いこと、関係部署の理解と協力体制があったこともあり、2022年1月に軟性内視鏡リプロセスのCSSD処理を開始した。
CSSDで一括しておこなうことで、リプロセスの質の向上および医療職である看護師、再生処理の専門職であるCSSDスタッフの人的資源の有効活用につながった。
【おわりに】
どこで、誰が軟性内視鏡のリプロセスをおこなうのかは、施設によって様々なケースが見られる。何れにおいても、より良いリプロセスが安定しておこなわれるよう手順を構築し、その維持・改善・教育をおこなう一連の取り組みが何よりも肝要である。