第98回日本医療機器学会大会

講演情報

パネルディスカッション

パネルディスカッション4 蒸気滅菌管理の目指すべき道

2023年7月1日(土) 14:00 〜 15:25 第1会場 (アネックスホール F201+F202)

座長:齋藤 祐平(東京大学),谷野 雅昭(川崎医科大学)

14:24 〜 14:32

[パネルディスカッション4] 地域中核病院の蒸気滅菌管理

酒井 大志 (越谷市立病院 看護部 中央滅菌室・手術室)

当室の蒸気滅菌器の運用として、使用前点検および、暖気運転にB・Dテスト(134℃・3。5分、前真空工程3回)を実施、合格を確認後にその日の使用を開始する。滅菌条件は、メイン工程を 121℃・20分とし、CJD対策が必要な器材は134℃ ・ 18分である。共に前真空工程を3回とし、5分のコンディショニング工程を設けている。工程の可否判断については、BIに依存しないパラメトリックリリースを採用し、工程記録や包装の状態・ 包装外部用CIの変色等が全て良好であり2名の判定者が合格とするまで払い出しはおこなわない。
当室では、バリデーションを定期的に実施し、自施設の工程の有効性に対して根拠を持って確認している。PQにおいて測定した、134℃工程での滅菌工程時マスター製品のF0値はおよそ440分(滅菌処理における微生物致死量であって10℃のz値をもつ微生物について121℃での値と等価であり時間(分)で表される値)である。ISO17665–2において121℃で必要な時間15分(滅菌処理における微生物知識量の最低条件)であることを考えると134℃・18分では、大幅なスーパーオーバーキルの状態であるといえる。これらを踏まえ、当室の蒸気滅菌管理について私見を述べたい。