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[パネルディスカッション4] ケアミックス病院の蒸気滅菌
当院は元来療養型の医療機関であり、手術件数が年間約100例と少ないことから、滅菌供給業務に関する関心が薄い体質にあった。長らく専門の知識を有するスタッフが不在であり、ガイドライン等も周知されていなかったため、滅菌管理自体がおこなわれていなかった。蒸気滅菌については、容量約60Lの滅菌器1台で院内の滅菌の殆どを賄っている状態である。数年前、滅菌供給業務の質向上を目指す為の取り組みを提案したが、経営陣に対して明確な費用対効果を提示することができず、頓挫することとなったが、感染管理および医療安全管理の一環として改めて予算を申請し、数年間かけて医療現場における滅菌保証のガイドラインに沿った各種インジケータ等の整備の実施と、滅菌記録の保管と管理を開始した。併せて耐用年数を超過した滅菌器の保守点検や更新の実施、職員の教育にも取り組んでおり、その過程と課題および今後の展望を、地方の中小規模病院の現状として報告したい。