第99回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

医療機器管理

医療機器管理3

2024年6月22日(土) 10:10 〜 11:20 第4会場 (アネックスホール F204)

座長:今井 英一(新潟市民病院)

10:10 〜 10:20

[108] ICTを活用した内視鏡業務支援システムの構築

柴森 直也, 阿部 真也, 野見山 典子, 水田 博士, 田中 龍馬, 岩坪 太郎 (大阪医科薬科大学病院 消化器内視鏡センター)

【はじめに】
本国の医療では医師の長時間労働に支えられている現状がある.今回,消化器内視鏡センターとして,医師の働き方改革に関する検討会で報告されている医療機関のマネジメント改革の内,ICT等による効率化に着目し,ICTを活用した内視鏡業務支援システムを構築した.
【ICTを活用した内視鏡業務】
当院での内視鏡業務では従来,問診にはプリントでの手書き問診票と内視鏡所見入力にはオリンパス社製の内視鏡ファイリングシステムを使用していた.今回,ファイリングシステムと連携し,同時に日本消化器内視鏡学会が定める内視鏡データベースであるJED(Japan Endoscopy Datebase)に準拠した問診・音声所見入力システムであるVoiceCaputureを内視鏡業務支援システムとして導入している.
【問診入力システム】
従来手書きであった問診入力では,問診票のスキャンや検査終了後にファイリングシステムへの入力による二重入力など労力と時間が追加で課せられていた.そこで患者の問診にタブレット端末を導入することで,患者側は一問一答形式,医療staff側では一覧形式で検査前にデータの整合性をチェックでき,二重入力を解消した.また,security面にも考慮し,患者の smartphoneにて問診をおこない,施設側タブレットでデータを収集できるシステム構築にも取り組んだ.
【音声所見入力システム】
JEDシステムの普及に伴い, 内視鏡所見入力にはファイリングシステムの語句を選択し入力するだけになりつつある. そこで VoiceCaptureを使用することで内視鏡検査終了と同時にほぼ内視鏡所見ができ上がり,検査後の所見入力時間の短縮に繋がる.また,音声所見を用いることで内視鏡画面と所見を一致させることができ検査室内での医療staff側の教育にも役立っている.
【結語】
内視鏡診療にICTを活用することで検査間時間の短縮やJEDシステムの構築など医師や医療 staffの労働時間短縮や内視鏡業務の効率化に繋がる.