第99回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

技術開発/改良

技術開発/改良

2024年6月22日(土) 14:00 〜 15:00 第4会場 (アネックスホール F204)

座長:中島 章夫(杏林大学)

14:40 〜 14:50

[119] 福井県産微小組織回収フィルタの開発

湶 孝介, 飛田 征男, 木村 秀樹, 小久保 安朗 (福井大学医学部附属病)

子宮内膜ポリープは不妊の原因となり,切除が勧められている.切除方法の1つに,レゼクトスコープを用いた経頸管的切除法(Trans- cervical resection: TCR)がある.TCRには,電気メスを用いて切開・切除・止血をおこなう方法と,モルセレーター/シェーバーを用いる方法があるが,当院では局所麻酔や鎮静でおこなえること,圧コントロールにより安定的な子宮腔の拡張が得られること,シェーバーブレードで切除することで子宮の熱損傷を低減できることなどからシェーバーを用いて組織摘出回収をおこなっている.TCRによって切除された組織は病理検査をおこなう必要があり,組織を回収しなければならないが,その回収方法は施設によって様々である.また,切除された組織片は非常に少量で小さいため全て回収することが困難である.今回,TCRによって切除された組織片を全て回収することを目的に,組織回収フィルタを福井県の繊維会社と協同開発した.メラ人工心肺用コネクター ストレート6
×6(泉工医科)とシラスコン医療用チューブ 10mm(カネカメディックス)を連結させ,これを新しく開発した袋状のフィルタの中に入れ,灌流液から排出される組織片を全て回収することができた.簡易的な方法で効率的に微小組織の回収が可能となった実証例を紹介し,今後の可能性について報告する.