第99回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

滅菌

滅菌1

2024年6月21日(金) 14:40 〜 15:50 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:谷口 優樹(東京大学)

14:40 〜 14:50

[29] 当院における再生器材の滅菌有効期限延長への取り組み

難波 正博1, 荻野 栄二1, 三宅 操1, 大原 恵美1, 和田 龍夫2 (1.公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 中央材料室, 2.公益財団法人大原記念倉敷中央医療機構 倉敷中央病院 ロジスティクス部)

【はじめに】
再生器材滅菌後の有効期限は,時間依存型無菌性維持(TRSM)および事象依存型無菌性維持(ERSM)の設定があり,当院ではTRSMによる有効期限を設定している.今回,在庫管理の観点から,不適切な滅菌物の取り扱いと期限切れ器材の削減を目的として,現在設定の有効期限3ヶ月を6ヶ月に変更することが可能か否か細菌培養検査を実施して検討した.また,滅菌物の適切な取り扱いについて院内勉強会を開催しているので併せて報告する.
【方法】
検討に用いた包装材は滅菌バッグ(一重包装),再生器材は鋼製小物,器材の滅菌後は外来収納庫に保管した.洗浄はウォッシャーディスインフェクターによる自動洗浄,滅菌方法は高圧蒸気滅菌135℃ 12分,細菌培養検査は滅菌後6ヶ月および12 ヶ月間保管した器材を滅菌生理食塩液に浸した綿棒で表面を拭い,細菌・ウイルス検査室に提出した.
【結果】
滅菌後6ヶ月,12 ヶ月ともに細菌の発育を認めなかった.
【考察】
細菌培養検査による鋼製小物を用いた再生器材滅菌後の無菌性維持期間の検証は満足のいく結果であり,12 ヶ月間の無菌性維持が確認された.しかし,滅菌物を長期間保管することによって滅菌バッグの無菌性を破綻させる事象が発生する可能性は高くなる.また,保管が適切であっても滅菌物の取り扱いが不適切であると滅菌の質は保証できない.包装材料,器材の形状,保管場所および滅菌物を取り扱うスタッフへの継続的な勉強会を開催して,滅菌物の取り扱い基準を周知することが大切であると考える.