第99回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

滅菌

滅菌1

Fri. Jun 21, 2024 2:40 PM - 3:50 PM 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:谷口 優樹(東京大学)

3:20 PM - 3:30 PM

[33] 滅菌業務のデジタルトランスフォーメーション化に向けた安価なシステム開発について

門脇 侑未1, 大町 智之1, 河内 莉輝1, 廣橋 愛美1, 武村 光浩1, 伏見 了1, 村田 卓也2 (1.ワタキューセイモア㈱メディカル営業本部 請負事業部, 2.ワタキューセイモア㈱ IT 改革本部 BPR 推進部)

【背景と目的】
滅菌にまつわる業務の多くはいまだにアナログが主流だが,その電子化を通して運用・教育プロセスの変革をおこなうと共に,蓄積データを中央材料室運営に活かすことが重要だと捉えている.我々は従来,紙面運用してきたマニュアルや帳票類のペーパーレス化に向け,Claris社のFileMakerを用いて「器材マニュアル」「積載記録」「借用器材管理」をシステム化し稼働してきた.開発したシステムは運用開始から3年半が経過し,一定の効果は得られた.ただし全てが解決したわけではなく,中央材料室・病院運営に寄与できるデータ活用による業務変革を目指して今後の課題と取り組みを発表する.
【方法】
(1)対象現場:93施設(2)調査内容:現場社員の使用所感,システム運用のメリット/デメリット,要望や改善点等のヒアリング
【結果】
器材マニュアルは視認性と検索性が劇的に向上し,作成も容易になった.また流通している滅菌管理システムに登録のない情報は当マニュアルで補完した.運用プロセス変革については,積載記録を器材マニュアルと連携させたことで記録への器材マスタ引用が可能になり,記載名称の統一と誤滅菌事故防止が可能となった.一方でシステムの使いにくさや教育に時間がかかることが分かった.また蓄積データから作成する帳票が標準化されておらず,データ活用は十分にはおこなえていない.
【考察】
従来の紙面運用に比べ,「習得に時間がかかる」「業務量の増加」「メリットが見えない」という声もあったため,使用感の向上と電子化の意義について説明が必要である.積載記録に取り組む中で考えた借用器材管理システムは,借用業者と共に時間短縮に向けて運用改善をおこないたい.我々の目指すDX化には各システムの更なる横展開と,積載記録と借用器材管理に蓄積されたデータ分析の標準化と自動化によって誰でも容易にデータ活用ができる状態に向けた努力を重ねていくことが必要である.