第99回日本医療機器学会大会

Presentation information

Oral presentation

滅菌

滅菌1

Fri. Jun 21, 2024 2:40 PM - 3:50 PM 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:谷口 優樹(東京大学)

3:30 PM - 3:40 PM

[34] 臨床工学技士による中央材料室の機器・器械管理への取り組み

滝川 裕梨1, 緒方 誠樹1, 園田 美智代2 (1.社会医療法人潤心会熊本セントラル病院 臨床工学科, 2.社会医療法人潤心会熊本セントラル病院 手術部)

【はじめに】
以前より器械保守やトレーサビリティの観点から,臨床工学技士(以下CE)の介入を依頼されていた.部署改変に伴い,今回,本格介入となった.昨年7月より臨床工学科より中央材料室(以下中材)へ出向.業務を習得後,中材師長と業務の質向上のために取り組んだことを報告する.
【方法】
臨床工学科より1名出向,常駐.日常業務から機械トラブル対応を師長・スタッフ・メーカの協力で約3ヶ月かかり習得.その後,機械管理のデジタル化なども含め業務整理に着手していった.
【結果】
介入前は,オートクレーブ・ホルマリン滅菌器の日常点検は紙媒体,その他の機械は特に日常管理はしていない状態であったため,当院ですでに使用していた機器管理ソフトに登録し,各種点検・修理を記録可能にした.その流れから,電気メスのアクティブコードの通電確認の必要性や,器械の点数と写真のみであった器械組みメニュー表に,実際おこなっている目視点検や動作チェックなどの項目を追加するなど,点検という観点が加わった.また,使用器械の患者登録・滅菌記録はバーコード管理でおこなっていたが,洗浄記録は未実施だったため,現在管理方法を検討中である.
【考察】
看護師とアシスタントで業務遂行していた中材に,CEが介入したことで,保守管理の視点が加わり,紙からデジタルへ,機器管理ソフトの点検内容に沿って記録できるシステム導入ができた.また,未経験者が業務に当たることで今まで記録に残していなかった業務を明確化でき,業務の質向上,また信用につながったのではないかと思う.
【結語】
今後は各種点検だけにとどまらず,人に依存する場面が多い中材の医療安全に結びつけ,質の高い機器・器械管理を提供していきたい.