第99回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

災害報告・対策

災害報告・対策

2024年6月21日(金) 16:00 〜 16:40 第3会場 (アネックスホール F205+F206)

座長:生田 義浩(熊本大学)

16:00 〜 16:10

[36] 滅菌保証実態調査6 

災害部門報告

江島 豊1,2, 水谷 光3,4, 木村 登1,5, 久保木 修3,6 (1.日本医療機器学会滅菌技士認定委員会, 2.東北大学病院 手術部・材料部, 3.日本医療機器学会滅菌管理業務検討委員会, 4.千船病院 麻酔科・手術中材センター, 5.スリーエムジャパンイノベーション㈱医療用製品技術部, 6.スリーエムジャパン㈱医療用製品事業部)

日本医療機器学会では,1998年以来6回にわたり全国の医療施設における滅菌保証の実態調査をまとめてきた(1回は報告書がない).今回初めて滅菌保証実態調査に災害に関する調査を加えて実施した.本調査の報告は既に医療機器学2023, 93, 523-545で報告済みであるが,災害に関する部分に関して紙面の関係上アンケート全ての結果を掲載はできなかった.そこで本発表では,報告済みではあるが重要だと思われる内容と紙面では紹介できなかった結果を報告する.
全国1,722の医療施設へアンケート調査を依頼し,その内468の施設から回答があった.600床以上の施設のうち,CSSDの災害対策マニュアルを備えていないのは24%に上った.病院規模によらず病院全体の訓練を約80%の施設がおこなっていた.一方CSSD独自の災害訓練は 10 ~ 13%程度とまだまだ低い状況であった.病院BCPは75%の施設で策定されていたが, CSSDに関するBCPは36%とかなり低かった.
CSSDスタッフがBCP委員会などの委員会に参加している施設は25%に留まっていることは, CSSDのBCPが計画されていない要因と考えられる.ほとんどの機器を非常電源に接続している施設は全体の50%未満で,非常電源が作動してもCSSD業務は不能である施設が多くあることが判明した.また,水の備蓄量への回答は, 65%近くの施設が不明または無回答という結果であった.水はCSSD業務の生命線であり,備蓄量を把握しておきたいと考えられる.病院職員の災害時の出勤ルールは86%の施設であった一方で,委託職員に関して回答があった全ての施設の内52%でルールがあった.52%とは頼もしいと考えられるがさらなる増加が望ましいと思われた.災害時の連携に関しては,委託業者とは26%,関連施設とは16%,機器メーカとは8%,販売業者とは11%の施設で契約または協定を結んでいた.委託業者との連携で多かったのは,災害時のバックアップ体制であった.