第99回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

手術室

手術室

2024年6月21日(金) 09:00 〜 10:10 第4会場 (アネックスホール F204)

座長:野田 剛広(大阪大学)

09:20 〜 09:30

[42] 手術部で使用する滅菌期限切れ RMD の減少へ向けた取り組み

高崎 直樹1, 杉浦 実郁1, 田中 裕生子1, 小久保 安朗1, 大村 久美2 (1.福井大学医学部附属病院 手術部, 2.福井大学医学部附属病院 メディカルサプライセンター 滅菌管理部)

【はじめに】
手術部で使用する再使用可能医療機器 (RMD)は,常時滅菌と必要時滅菌に分けて保管しているが,毎月約30点の常時滅菌RMDの期限切れがある状況であった.これまで,常時滅菌RMDの期限切れの確認,再滅菌が必要かの判断,再滅菌の依頼を器械業務担当の手術部看護師が一人でおこなっていたため,作業効率が悪く,期限切れRMDの処理が停滞していた.新規にRMDを購入すると,以前使用していたものを使用しなくなり,使用しないRMDのために何度も滅菌をおこなうことは,洗浄・組立・滅菌業務とコストの増加につながっていると考えた.そこで手術部で使用する滅菌期限切れRMDの減少へ向けた取り組みをおこなった.
【方法】
知識や経験に関係なく,再滅菌,必要時滅菌,器械削除について,誰もが期限切れRMDの処理をおこなうことができるようにフローチャートを作成した.フローチャート運用開始前後4ヶ月間の滅菌期限切れRMDの数,その処理数,コスト,作業時間を調査した.コストは滅菌工程料の算出(第3報)を参考にした.
【結果】
フローチャート運用前後4ヶ月間では,期限切れRMD数は運用前108点,運用後147点,期限切れRMDの処理数は運用前113点,運用後 256点,常時滅菌から外したRMDの数は運用前30点,運用後117点であった.これにより,コスト10,035円,時間7時間13分が削減できた.
【考察】
今回,期限切れRMDについて再滅菌,必要時滅菌,器械削除の選択が明確にできるようにフローチャートを作成したことで,看護師の経験に関係なく統一した器械管理と削減が可能となった.また業務を分担することで,滅菌期限切れRMDの処理数が増加し再滅菌依頼業務が停滞することなく短時間で効率よく医師に確認できた.この取り組みによって,コストと作業量減少ができたと考える.