第99回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

臨床工学

臨床工学

Fri. Jun 21, 2024 10:20 AM - 11:20 AM 第4会場 (アネックスホール F204)

座長:真茅 孝志(久留米大学)

10:50 AM - 11:00 AM

[50] 人工肺結露対策専用の温風装置カバーにおけるユーザビリティの検討

道本 励維1, 中村 有希1, 長屋 茉侑2, 荒川 真由美2, 春田 栄次2, 山内 久徳2, 西垣 孝行3 (1.森ノ宮医療大学保健医療学部臨床工学科, 2.㈱河合電器製作所, 3.藤田医科大学医療科学部臨床医工学分野)

【背景・目的】
近年,体外式膜型人工肺(ECMO)治療において,人工肺の結露対策としてガス相出口に温風を当てる対策がおこなわれている.しかし,専用の温風加温装置や専用カバーがないため,医工連携にて開発した.温風装置の専用カバーは,BIOCUBE6000®,Capiok-LX®, ExcelungPrime®の3種類の人工肺に合わせて製作したため,それぞれのユーザビリティを検討したので報告する.
【方法】
対象は,森ノ宮医療大学3回生(体外循環装置学の単位取得者)10名とした.ユーザビリティの評価は,人工肺への専用カバーの取り付けに要する時間を測定し,実施後に自由記載のアンケートをおこなった.実験方法は,まず被験者に専用カバーの完成図を3分間見せた後に,各人工肺に専用カバーを装着する時間を測定した.装着後,完成度を3段階(A:間違いなし,B:軽微な不備あり,C:大きな間違いあり)で評価した.
【結果】
各人工肺の専用カバーの装着時間(平均)は,BIOCUBE6000:159.7±179.1秒,Capiox-LX:431.8±718.5秒,ExcelungPrime:247.2±135.2秒であっ た.装着後の完成度 は, BIOCUBE6000が,A:9,B:1,C:0, Capiox-LXが, A: 4, B: 2, C: 4, ExcelungPrimeが,A:6,B:2,C:2であった.アンケートでは,各部位のパーツの向きがわかりにくかったことや少しでもズレがあると取り付けることができない点が不便であるという意見が出された.
【考察】
BIOCUBE6000の専用カバーは,装着時間が短く,完成度も高いと考えられたが,他の2つは,時間もかかり,さらに大きく間違えるリスクが挙げられた.今後は,学生が3分間,見ただけでも間違わずに専用カバーが装着できるように,各パーツのカラーや形状変更だけでユーザビリティを改善できるように工夫したい.