第99回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

教育支援

教育支援

2024年6月21日(金) 13:10 〜 14:00 第4会場 (アネックスホール F204)

座長:橋本 素乃(東京医科歯科大学)

13:10 〜 13:20

[53] 使用後の汚染器具の返却方法について

~看護師への指導~

中家 聖子, 平田 勝美, 松島 由美 (大阪府済生会茨木病院 感染管理室)

【はじめに】
当院の滅菌業務は,委託業者がおこなっている.今回,病棟や透析室から返却した器具の中に,鋭利なものが数回混入していた.また.器具の返却時,回収ケースから器具が露出したまま返却するなど,適切に返却できていないことが委託業者からの報告により判明した.
【目的】
滅菌回収ケースに針やナート針などの鋭利な物の混入防止策および,汚染器具の返却方法について検討した.
【方法】
1,針廃棄箱の設置場所が適切か検討した. 2,チェック表を作成し,器具の回収時,部署の看護師と委託業者とで鋭利物の混入などを確認した.3,器具のディスポ化,汚染した器具の搬送方法について,該当部署に直接指導をおこなった.
【結果】
1について,針や鋭利な物は,使用後すぐに処理できるように,ベッドサイドに針廃棄箱を設置することで,使用後の針は処理できた.2について,回収チェック表により,委託業者と当院の看護師とで,回収物品を確認することで,鋭利な物の混入はなくなった.3について,器具のディスポ化,汚染器具の搬送方法について教育を実施し,大きめの回収ケースを設置したことにより,汚染器具は,回収ケース内に収納することができた.
【考察】
針廃棄箱は,回収ケースのすぐ横に,蓋が開いたままの状態で設置され,誤って鋭利物も回収ケースに入れてしまう可能性があった.対策は,透析機械にマグネットで針廃棄箱を設置し,その場で針が廃棄することができる環境を整えることで,無駄な動きがなくなり業務改善にもつながったと考える.委託業者との回収物品の確認作業は,その場で指摘でき,鋭利物の混入防止対策には有効であったと考える.院内のディスポ製品について周知できていないこと,適切に汚染器具の管理ができていないことなど,今後の課題が明確になった.
【結語】
今回の取り組みを機に,看護師の滅菌器具に関する知識や,現場での取り扱いなどについて教育が必要である.