第99回日本医療機器学会大会

Presentation information

Oral presentation

洗浄

洗浄3

Sat. Jun 22, 2024 2:00 PM - 3:20 PM 第1会場 (アネックスホール F201+F202)

座長:長瀬 清(岐阜大学)

2:10 PM - 2:20 PM

[76] 中央材料室における一次洗浄軽減の取り組みとその効果について

真島 博樹 (アンドモア クリエイト)

【背景】
日本の人口減少に伴い人手不足が深刻化しつつありワークライフバランスの推進など多くの課題が求められる.このような環境の中,中央材料室においても業務改善を図る必要性がある.一般的な洗浄工程は,一次洗浄(事前処理等)をおこなった上で,ウォッシャーディスインフェクター(以下WD)にて洗浄をしている.ある施設の状況としては,前日夕方以降の手術使用器材に対し,翌朝,用手洗浄をしてからWDに入れていた.翌朝の作業者の用手洗浄速度によっては,器材全体の流れに影響を及ぼしていたことから,洗浄スキルが求められ属人性の高い,非常に悩ましい事案であった.一次洗浄軽減に向けた取り組みは,人手不足や非属人化並びに,感染リスク低減等の,大きな業務改善に繋がると考えた.
【方法】
本検証では,一般鋼製小物(鉗子・鑷子類)を対象とする.施設にあるWDは,均等な水圧によるジェット洗浄と,洗浄槽内に大型ファンを内蔵した乾燥機能が特徴である.その洗浄力と乾燥力を活かして,洗浄プログラムを構築,検討した.Step 1,酵素洗剤とアルカリ洗剤を投入する洗浄プログラムにて洗剤の投入量と,洗浄温度・時間とを組み合わせ検証を実施.洗浄評価のために,ジョセフとクリーンチェックを使用.Step 2,羊血を塗布し乾燥させた専用デバイスを用いて残留タンパク質量を測定.Step 3,乾燥時間の長さによる乾燥度合の検証.Step 4,1次洗浄軽減状況を検証.
【結果】
結果として,1サイクル60分,残留タンパク質量は100μg以下,乾燥庫に入れることなく組立側に受け渡すことが可能となった.さらに, 1次洗浄の軽減だけでなく,血液凝固剤の塗布量を軽減することができた.
【考察】
この度の結果は,他施設においても業務改善ができるものとして,一次洗浄軽減に向けた重要な根拠であり,大いに資するものとなると考える.