第99回日本医療機器学会大会

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Oral presentation

業務改善

業務改善

Fri. Jun 21, 2024 9:50 AM - 10:40 AM 第2会場 (アネックスホール F203)

座長:瀬戸口 秀一(九州大学病院別府病院)

10:20 AM - 10:30 AM

[8] 植込み型心臓電気デバイスにおける遠隔モニタリングの運用を変更して

今井 大輔, 松風 瞳, 藤田 智一, 竹内 文菜, 伊藤 達也, 井ノ口 航平, 新實 幸樹, 窪田 興二, 島田 俊樹 (医療法人豊田会刈谷豊田総合病院 臨床工学科)

【はじめに】
当院では2012年5月より植込み型心臓電気デバイス(以下CIEDs)の遠隔モニタリングシステム(以下RMS)を導入し,現在270名程度の患者をフォローしている.送信されたCIEDsデータを臨床工学技士(以下CE)が解析し,エクセルにて記録管理をおこない,紙媒体で循環器内科医師へ報告していた.しかし,RMS導入患者の増加に伴い,送信データの管理に費やす時間が増加し業務負荷が大きくなった.また,3社のCIEDsを取り扱っており,RMS業務が煩雑化していたためCEの業務負荷の軽減を目的としたシステムを導入したため報告する.
【方法】
ペースメーカ統合管理サービス/ Cardio Agent Pro for CIEDs®(以下Cardio Agent Pro®)を導入した.RMSで受信したCIEDsデータをエクセルにて記録管理をおこなう時間(30件)とCardio Agent Pro®で自動取り込み記録をおこなった時間(30件)を比較検討した.
【結果】
エクセル管理に要した時間は平均9.47分であった.一方Cardio Agent Pro®を使用した記録管理に要した時間は平均2.82分であった. Cardio Agent Pro®を使用した記録管理はエクセル管理より平均6.65分の業務時間を短縮させた.(P<0.05)
【考察】
Cardio Agent Pro®を導入したことでCEが記録管理に費やす時間を削減できた.また,電子カルテをリンクさせることで,カルテ上から各患者のCIEDsデータを閲覧することが可能となり,各々のメーカWEBサイトへアクセスする業務の煩雑化も軽減された.導入に際し,電子カルテとリンクさせるためセキュリティの担保が必要であり,CE・院内情報企画グループ・メーカと話し合いを重ねることでトラブルなく運用を開始できた.エクセルでの記録管理は転記ミスなどの人的エラーが発生していたためダブルチェックをおこなっていたが,元データを確実に電子カルテへ記録でき,閲覧者・閲覧日時が記録と同時に保存されるため,責任の所在が明確になり安全面での副次効果を得ることができた.