第99回日本医療機器学会大会

講演情報

パネルディスカッション

パネルディスカッション2 再製造単回使用医療機器(R-SUD)による新しい医療マネジメント

2024年6月21日(金) 14:40 〜 16:00 第2会場 (アネックスホール F203)

座長:上塚 芳郎(一般財団法人松本記念財団)

15:10 〜 15:20

[パネルディスカッション2] 病院マネジメントと R-SUD

高階 雅紀 (大阪大学医学部附属病院 手術部・材料部・臨床工学部)

2017年7月に単回使用医療機器の再製造に関する新しい制度が創設されたが,2024年3月現在10種類のR-SUDが認可されているのみであり,未だ国内では広く普及している状況ではない.
普及を妨げている医療者側の懸念は,①病院経営にメリットがない償還価格設定 ②患者への説明義務 ③使用後のSUD回収業務の負担 ④安定供給と品質への不安,等に集約される.①については今回の診療報酬改定でR-SUD使用評価加算が制定されたため,普及への弾みが期待される.②については説明方法のガイドラインや説明資料の準備が必要である.③については具体的な手順を理解するための使用済みSUD収集マニュアルの整備と院内キーパーソンによるイニシアティブが求められる.④については医療者の不安を払拭するべく,理解を得るために一層の企業努力が求められる.
今後R-SUDが順調に普及するためには,病院マネジメント上において病院の経営的にも業務的にも円滑に遂行される政策が重要である.