シンポジウム2 滅菌供給部門のQMSを理解する

[シンポジウム2] 企業目線からのCSSDのQMS

髙野 剛 (ゲティンゲグループ・ジャパン㈱ヘルスケアマーケティング事業部インフェクションコントロール)

欧州のCSSDではQMSの構築が法的に要求されている．日本でも滅菌保障のガイドライン2021の発刊後，CSSDにおけるQMSが重要視されてきているが，再生処理の業務をおこなう部門にQMSの知識に長けている方は，ほぼいないのが現状である．反対に医療機器を製造販売する企業は薬機法によりQMS省令を遵守することが必須となっている．これらは，製造部門だけでなく会社全体が QMS省令に準拠しなければ医療機器の製造販売をおこなうことはできない．日本のCSSDにおいて品質保証を業とする専任者がいない中で，Quality Management Systemを構築しなければならないことが大きな懸念といえる．当たり前のことが当たり前におこなわれ，逸脱が発生した場合に，それらを早期に発見できる仕組みこそがQMSの本質でありそれらを運用・管理する組織もまた必要であると考えられる．これらの状況を踏まえて長年，企業で品質保証責任者を務めてきた目線から CSSDのQMSについて解説させていただきます．