第99回日本医療機器学会大会

講演情報

一般演題

医工連携

医工連携

2024年6月21日(金) 15:30 〜 16:20 第4会場 (アネックスホール F204)

座長:堀 純也(岡山理科大学)

16:10 〜 16:20

[T62] 医療器械職人によるソリューションサービス「SICRASS」について

金井 しのぶ (㈱マイステック)

「連携」「共創」「オールジャパン」は医療機器の国産化推進のために多く使われるワードです.2013年頃から国が多くのものづくり企業に対し医療機器産業への参入を後押してから10年以上が経過しました.製品化に成功したものもある一方で多くは十分な収益を得られず苦戦しており,国内市場における国産品のシェア拡大は期待通りでないのが現状です.医療機器は製品化までに時間とお金がかかりますし,ユーザとものづくり側との距離も近くはありません.それでも日本における医療機器の輸入超過の現状は将来に向けて少しずつでも改善していくべき課題です.競合他社と鎬を削り成長してきた時代から,これからは他者と「連携」することで国産の医療機器を「共創」していく時期に来ていると考えます.そして,それを実行するしくみを作りました.このしくみをまずは脊椎脊髄外科を中心に関節外科・スポーツ整形という㈱マイステックが知見を有する分野に落とし込むことで製品の開発・製造をスピードアップし,合わせて売上げの増加を目指します.㈱マイステックは長年,医療器械職人として多くの脊椎・脊髄外科医,またそれ以外の整形外科医と共に昔ながらの手加工技術によって手術器械を開発,製品化してきました.そして約15年前から重要な取り組みとして力を入れているのが先端加工技術との連携です.これにより納期や価格に対する優位性を確保しながら,手仕上げのエッセンスを付加することで日本製として競争力のある製品を作ります.今後はこの連携にユーザである外科医など医療従事者にも参加してもらい,さらには法律家やデザイナー,他分野の研究者などをチームメンバーに加え国産の手術器械の開発・製造・販売に取り組んでいきます.㈱マイステックが提供するSICRASSプラットフォーム事業におけ るSICRASS MENBERサービスについてご紹介します.