第42回日本磁気共鳴医学会大会

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教育講演

脳神経

教育講演2

脳神経1

Thu. Sep 18, 2014 8:30 AM - 9:30 AM 第2会場 (3F 源氏の間東)

座長:田岡俊昭(奈良県立医科大学附属病院 放射線科)

[EL2-2] 従来報告されている画像所見は認知症の診断において有用か? 病理学的,遺伝子学的診断例を含めた解説

櫻井圭太 (名古屋市立大学医学部 放射線医学分野)

認知症疾患の画像診断において,各疾患にて障害される特徴的な解剖学的部位及びそれに関連した画像所見を理解することが最も重要であることは論を俟たない.変性認知症では,アルツハイマー病における海馬,海馬傍回の萎縮,レビー小体病における黒質の神経メラニン描出低下や進行性核上性麻痺における中脳被蓋の萎縮などが代表的な画像所見として知られている.ただし,これらの画像所見は“特徴的”であるものの,必ずしも“特異的”ではないことが病理学的診断例を基づいた検討から判明しており,実際の日常臨床においても「アルツハイマー病か嗜銀顆粒性認知症か」,「進行性核上性麻痺か皮質基底核変性症か」など鑑別に苦慮する症例に遭遇することがある.本講演では,変性認知症を中心とした認知症の画像診断において,必要な撮像法,解析方法,基本的な画像所見,さらには注意点に関して,臨床診断例のみならず,病理学的,遺伝子学的診断例など実際の症例を含めて概説する.