[O-1-002] Tissue tracking を用いた心臓MRIの左室strain解析
【背景】左室strain解析は心筋の機能評価の一つとしてすでに臨床でも用いられている。左室strain解析は主として心エコーで行われ、その有用性が多数報告されている。一方、心臓 MRIの画質も近年、その技術の改良とともに向上してきている。心エコーで用いられているtracking手法を心臓cine MRIに応用することで、taggingを用いることなく左室のstrainを評価できることが期待される。【目的】半自動でtissue trackingが可能なソフトウエアMultimodality Tissue Tracking (MTT) version 6.0を用い、心臓cine MRI画像からtrackingが可能か検証する。その後、strain解析を行い、従来の心エコー解析によるstrainと比較する。【方法】対象は過去に心疾患の既往のない健常者18人である。被験者に心臓cine MRI短軸3断面を撮像した。MTTで左室のtrackingを行い、strain解析を行った。【結果】対象者全員の心臓cine MRIで、MTTによるtrackingが可能であった。全例でstrain解析も可能であった。peak値の比較では、過去の報告の心エコーから求められたstrainのpeak値とほぼ同等であった。【結論】心臓cine MRIからtracking手法を用いてstrain算出が可能である。少数例の検討では、これらは心エコーとほぼ同等である。