第42回日本磁気共鳴医学会大会

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一般演題

心筋評価

心筋評価1

Thu. Sep 18, 2014 9:30 AM - 10:20 AM 第2会場 (3F 源氏の間東)

座長:横山健一(杏林大学医学部 放射線医学教室)

[O-1-001] DENSEを用いた心臓の3次元ひずみ解析手法の検討

漆畑勇太1, 村田勝俊1, 久田俊明2 (1.シーメンス・ジャパン株式会社 イメージ&セラピー事業本部 リサーチ&コラボレーション部, 2.東京大学大学院 新領域創成科学研究科)

【目的】心筋壁運動評価としてタギング法が広く用いられているが、壁の境界を判定することが難しく心臓の3次元的な動きを追うことができない欠点がある。一方でタギング法を応用したDENSE (Displacement Encoding with Stimulated Echo)はボクセル単位の変位を3次元的に求めることができる手法である。しかし後処理が難しく評価方法が確立されていないため臨床的に使用することができていない。そこで本研究では3次元ひずみを用いた新規心機能評価方法を検討した。【方法】装置はSiemens社製 MAGNETOM Avantoを使用し32ch Body Coilを用いて行った。撮影は2D DENSE (WIP)を使用し、20心拍程度の息止め中に空間分解能を2.5×2.5×8.0[mm3]、時間分解能を30[msec]間隔で20ステップ、変位エンコードを0.1[cyc/mm]として2断面の撮影を行った。後処理にはプログラミング言語C++を用いて解析を行った。変位情報は位相画像に含まれるが、変位の測定幅を決める変位エンコードと信号強度はトレードオフの関係にあり心臓を撮影する場合は生データに位相の折り返しが生じるため、解析前に折り返しの除去を行う必要がある。本研究ではQuality-Guided Path Following法を用いて折り返しの除去を行い、撮影した2断面の変位情報から3次元ひずみの解析を行った。さらにひずみの対角化を行うことで主方向についての検討を行った。【結果】3次元ひずみを見ると1方向で拡張、2方向で収縮しており、局所的なひずみを見ると外膜に比べ内膜側の変形が大きいことが確認できた。拡張するベクトルは心軸から半径方向に向き、収縮する2ベクトルは円周-長軸平面内に向くことが確認できた。また収縮するベクトルを半径方向から見ると内膜から外膜の間で平面内を回転しながら分布していることが確認できた。【結語】新規心機能評価の手法としてDENSEを用いた3次元ひずみ解析を行った。タギング法と比べ長軸方向の情報が含まれ、かつボクセル単位での検討が可能な事から従来法より優位な手法であると考えられる。