[O-1-005] シネMRI左心室短軸像における中隔-重心角と左心室容積の時相変化による相関
【背景・目的】これまで,MRIを用いた心機能の解析には,駆出に伴う容積変化や座標軸の長さの変化を計測して解析する手法が用いられてきたが,対象とする部位間の角度に注目した評価法はほとんど提言されてこなかった.そこで,我々は左心室短軸像の中隔両端と左心室内腔重心のなす角(中隔-重心角)の時相による変化を解析する手法を提案してきた.今回は,中隔-重心角の時相変化と既存の手法であるSimpson法を用いた左心室容積曲線との比較を行った.
【方法】撮像装置にはPhilips社製MRI(Achieva 3.0T X-siries)を用いた.また,画像解析にはImageJを用いた.撮像シーケンスおよびパラメータは次の通りである.Balanced TFE,TR:3ms,TE:2ms,FA:40°,slice数:1回の息止めで撮れる枚数,NEX:1,slice thickness:10mm,FOV:220×220,matrix size:128×128.撮像対象は首都大学東京大学院倫理委員会の承諾のもと,インフォームドコンセントにより研究に対して同意が得られた男性健常ボランティアとし,呼吸停止下心電図同期法を用い撮像を行った.また,1心拍を30時相とし同一短軸断面における時相毎の中隔-重心角および左心室内腔容積を測定し,その変化を検討した.中隔-重心角の測定方法は以下の通りである.中隔と左室前壁の境界(A),左心室重心(B),中隔と左心室後壁の境界(C)の3点の座標を読み取り,座標計算により∠ABCを求めた.左心室容積はSimpson法を用いて算出した.
【結果・考察】時相による中隔-重心角と左心室容積の変化を比較した結果,中隔-重心角が最大値を示した時相と左心室容積が最小値を示した時相はほぼ一致する傾向を示した. Simpson法による左心室容積曲線は左室全体の駆出・拡張運動を捕えられることから,中隔-重心角の時相変化は左心室全体の駆出,拡張運動の変化を反映していると考えられる.特に,今回は重心と中隔に注目したため,中隔-重心角は左室全体のみだけでなく,中隔の機能をより反映している可能性が示唆される.今後は,前壁,側壁,後壁,中隔の4つの部位に分割しそれぞれについての動きの解析を行うことでより直接的な評価が可能となると考えられる.
【方法】撮像装置にはPhilips社製MRI(Achieva 3.0T X-siries)を用いた.また,画像解析にはImageJを用いた.撮像シーケンスおよびパラメータは次の通りである.Balanced TFE,TR:3ms,TE:2ms,FA:40°,slice数:1回の息止めで撮れる枚数,NEX:1,slice thickness:10mm,FOV:220×220,matrix size:128×128.撮像対象は首都大学東京大学院倫理委員会の承諾のもと,インフォームドコンセントにより研究に対して同意が得られた男性健常ボランティアとし,呼吸停止下心電図同期法を用い撮像を行った.また,1心拍を30時相とし同一短軸断面における時相毎の中隔-重心角および左心室内腔容積を測定し,その変化を検討した.中隔-重心角の測定方法は以下の通りである.中隔と左室前壁の境界(A),左心室重心(B),中隔と左心室後壁の境界(C)の3点の座標を読み取り,座標計算により∠ABCを求めた.左心室容積はSimpson法を用いて算出した.
【結果・考察】時相による中隔-重心角と左心室容積の変化を比較した結果,中隔-重心角が最大値を示した時相と左心室容積が最小値を示した時相はほぼ一致する傾向を示した. Simpson法による左心室容積曲線は左室全体の駆出・拡張運動を捕えられることから,中隔-重心角の時相変化は左心室全体の駆出,拡張運動の変化を反映していると考えられる.特に,今回は重心と中隔に注目したため,中隔-重心角は左室全体のみだけでなく,中隔の機能をより反映している可能性が示唆される.今後は,前壁,側壁,後壁,中隔の4つの部位に分割しそれぞれについての動きの解析を行うことでより直接的な評価が可能となると考えられる.