第42回日本磁気共鳴医学会大会

講演情報

一般演題

心筋評価

心筋評価2

2014年9月18日(木) 10:20 〜 11:10 第2会場 (3F 源氏の間東)

座長:森田佳明(国立循環器病研究センター 放射線部)

[O-1-008] 造影MRAと遅延造影MRIの統合画像作成によるアブレーション部位の可視化

重永裕1, 池内一志2, 池田貴之2, 木内邦彦3 (1.兵庫県立がんセンター 放射線部, 2.兵庫県立姫路循環器病センター 検査・放射線部, 3.兵庫県立姫路循環器病センター 循環器内科)

【背景・目的】
薬剤抵抗性心房細動の治療として肺静脈電気的隔離術(アブレーション)がある.アブレーションによって焼灼された組織は時間とともに線維化し,造影MRIの遅延像にて高信号を呈する.しかし,左房壁は非常に薄く元画像だけでの造影部位の同定は困難である.造影部位の同定を視覚的に容易にするためワークステーションを用いて3D画像を作成した.
【方法】
MRI撮像法
Gd造影剤を用いて肺静脈-左房first passの造影MRAを撮像し,投与から約15分後に3D-IR-T1TFEシーケンスで同部位の遅延造影画像を撮像した.
3D画像作成法
造影MRAを用いて肺静脈-左房の3D像を作成した(Fig.1,A).遅延造影画像から同部位を抽出し,左房壁の信号値(Mean,SD)を計測した.Mean+1SD以下を青,1SD~2SDを緑,2SD~3SDを黄,3SD以上を赤とし,造影強度を4段階で表現させた(Fig.1,B).MRAでの形態情報と遅延造影での組織情報を統合させた(Fig .1,C).
【結果・考察】
統合3D画像の作成により遅延造影部位の同定が視覚的に容易になった.心房細動に対するアブレーションは再発率が10~20%と高く,再度アブレーションを行う事が少なくない.本法によって焼灼が不充分な部位を非侵襲的に同定し得ることで,以後の治療時間を大幅に短縮できる可能性がある.